「イエスマンで固めていた」 フジテレビのドン、日枝氏の落日

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古市憲寿氏の発言

 フジテレビの社長、会長兼CEOを歴任し、現在もフジサンケイグループ代表で株式会社フジ・メディア・ホールディングスと株式会社フジテレビジョンの取締役相談役を務める日枝久氏(87)。一連の「中居正広問題」をきっかけに、一般の人にも「フジテレビを苦境に追い込んだ元凶の1人」として認知される人物だが、今回の一件を受けて40年以上にわたって取締役として君臨してきた人生にもいよいよ転機が訪れるのだろうか。

 社会学者の古市憲寿氏(40)は23日、フジテレビの情報番組『めざまし8』に出演し、日枝氏に言及してこう踏み込んだ。

《もう、フジテレビに出られなくなってもいいから言うんですけど、やっぱり、フジサンケイグループ代表の日枝(久)さんを中心とする経営陣が1回全部どいてもらわないと、この問題も収束しないと思うんですよ。普通に考えて、こういう影響力のある企業として、87歳の方が、数十年にわたって権力を持つ、いまだに人事権とか影響力を持つ状況っていうのはおかしいと思うんですよ。放送法と電波法に守られた許認可事業をしている極めて公益性の高い企業が、1人の方が影響力を持っているのは絶対的に良くない。それは日枝さんも良くなかったし、それを許してきた会社の幹部、総務省も良くなかったかもしれない》

残ったのはイエスマンだけ

 中居が芸能界引退を表明したのはこの直後だった。中居が追い込まれたきっかけは女性セブンや週刊文春の取材によって明らかになった性被害に遭った女性の存在だ。そしてそこにフジテレビ幹部社員の関与があったのではないかという報道が続き、中居問題はフジテレビ問題へと“延焼”していった。その段階で日枝氏にもまた批判の矛先が向けられることになった。

「社内でクーデターを起こして実権を握った日枝氏はライバルを放逐しまくって、残ったのはイエスマンだけという状況を常に作り続けてきました。歴史上の偉人とされる為政者も多かれ少なかれ似たような手法を採って自身の権力を長続きさせてきたところがあるので、それに学んだのでしょうかね。87歳でかくしゃくとして髪の毛も残っていて、“現役感”も強いですね」

 と、芸能デスク。フジテレビが視聴率で民放4位となり「振り向けばテレ東」などと言われるようになっても最高権力者として組織に残り続けた。

 2017年6月の株主総会では、5期連続の減収減益の責任をとる形で日枝氏は代表権のない取締役相談役へと退いたが。

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