「地方と都会」ではなく「東京とそれ以外」…地方移住した編集者が「バリバリ仕事をするなら東京一択」と断じる理由

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都会志向がある人は東京生活を

 それが東京の人材輩出力なのだと、しみじみ実感している。私自身、東京を捨てた人間で正直もう東京には住みたくないな……という感覚はある。幸い現在、佐賀県でカネに困ることはないため仕事を必死に探す必要はない。しかし、仕事をする必要が出てきたら真っ先に東京に戻る。他の大都市はあり得ない。

 それだけ仕事が豊富な東京への距離的拒否感から、別の大都市に行く人は一度考え直した方がいい。正直、人がたくさんいることやら行列があることについては程度の差はあれ、同じようなものだ。とにかく大阪・名古屋・福岡などの大都会は地方の人間からすれば毎日祭りをやっているような感覚で、せわし過ぎる。

 そうした都会のデメリットは、東京とほとんど変わらないわけなのだから、だったら「より良い仕事獲得の可能性が高い」「選択肢が多い」「人々が優秀」「娯楽も日本一豊富」「ブームの発信地」「最先端の技術と知能が集結している」「報酬が高い」という面で東京以外を選ぶ理由が正直私には理解できないのである。感傷的に「地元が近い」と言う人も大勢いるが、仕事場所は東京がいい。その方が様々なモノを得て、さっさと地元に戻ることができる。そして、住む場所は埼玉・千葉・神奈川・多摩地区でも構わないので、都会志向がある人は東京生活を試してみてはいかがか。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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