「立花さんは完全に履き違えている」「もう誹謗中傷はやめよう」…「つばさの党」黒川敦彦被告が「N党」立花孝志氏に呼びかけ「私はもう凸をしません」
人が死んでしょうがないということは絶対にない
――立花氏についてはどう思っているのか。
もちろん、不正確な情報を流布するなどして誹謗中傷のきっかけを作ったのは立花さんであり、大きな責任はある。この結果を受けよく考えるべきです。人が亡くなってしまったことはとても重たい。亡くなった後も誹謗中傷を続けたことは謝って許されるような話ではない。立花さんはしょうがないと思っているのでしょうが、私は全く思わない。人が死んでいいわけがない。その点において完全に彼は履き違えている。
――黒川さんが昨年の選挙でやった手法も、同じように大衆心理を焚き付けていたのではないか。
それはあります。実際、僕は「怒れ」と呼びかけました。ただ、僕らが立ち向うのは巨大な権力だけです。絶対に弱い者いじめはしません。もしそういう危険が起こりそうであれば、僕たちはやめる。世間からは同じように見えているかもしれないですが、そこは絶対に違うということはわかってほしい。
拘置所にいた時に考え方が変わった
――黒川さんもやっていたが、自宅に凸かけるようなやり方には問題があるのではないか。竹内さんのご家族もいつ誰が家に来るかと怯え続けていたと伝えられている。
当然、ご家族が恐怖を感じたり、嫌だと思うのはよく理解できます。ただ全く普通にやっても多くの人に響くのは難しい。デフォルメや演出は必要。相手が政治家ならばしょうがないと思ってやっていた。パフォーマーたちが過剰なことをやることは社会正義として許されていいという考えです。
私自身は誹謗中傷ではなく政治的批判をしてきたつもりです。ただこうした悲劇が生まれてしまったことで、「自分は違う」と行動を振り返らないわけではありません。もう凸するのはやめます。
――今回の件を受けて路線変更を決めたのですか?
まだ公に発信していませんでしたが、もともと考えていたことです。7カ月間、拘置所の中で毎日30分から1時間くらい瞑想し、仏教関係の本を読み漁ることで気持ちが変わっていきました。「世界全体の幸せのために最善を尽くすために生きよう」と毎日唱え、出所後も継続しています。
そうするうちにもっと他者にフレンドリーに向き合っていくべきだと思い始めた。凸なんかよりももっと平和で笑いを取る手法にベクトルをずらしていった方がいいのではないかと。妻(埼玉県朝霞市議会議員の外山麻貴氏)から過激すぎることはもうやめてとも言われていましたしね。
これからも選挙に出るつもりですが、演劇みたいな形で街頭演説をやることを計画しています。妻と夫婦漫才をやってM-1グランプリにも挑戦しようとも考えている。それでも人から見れば変わった手法でしょうが、少なくとも誰かを傷つけずには済みます。
立花さんにも、もう凸して個人を追い込むような手法は止めようと呼びかけたい。自分たちが正しいと信じてやってきたけど、何が起こるかがわかったでしょと。ガーシー氏も私も逮捕されたし、今回の悲劇も起きた。人が死んでいいわけがない。
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