チャールズ国王も怒り心頭か…実弟「アンドリュー王子」と、MI5が危険視した“スパイ疑惑の中国人”との深すぎる関係

国際

  • ブックマーク

中国との浅からぬ関係

 アンドリュー王子と「貿易」の関係は、かつて10年にわたり英国の貿易大使(貿易・投資担当の英国特別代表)を務めていた頃に遡る。エプスタイン元被告を含む交友関係が問題視されたため11年に辞任したが、英紙「デイリー・メール」によると、10年に発足したキャメロン政権が中国と親密になると頻繁に訪中していたという。

『見えない手 中国共産党は世界をどう作り変えるか』の共同執筆者であるマレイケ・オールバーグ氏はメール紙に対し、「自分が利用されることを許しているように見える典型的な『役に立つ阿呆』」と辛辣な言葉でコメントした。

 また、これまで蓄えた金額やエリザベス女王から相続した遺産額など、アンドリュー王子の財政状況には不明点が多いという報道も度々あった。

 王室作家のロバート・ハードマン氏が11月に出版したチャールズ国王の伝記『Charles III: New King. New Court. The Inside Story』 の増補改訂版によると、ロイヤル・ロッジの莫大な維持費には、王室が保有するコレクションの保護費用も含まれているという。

 それでもアンドリュー王子は、国際貿易での人脈に関連した「代わりの収入源」を見つけたため、年間100万ポンド前後と推測される生活費を含め、すべて支払うことができると繰り返し主張していた。だがそれ以外にも、ジュフリーさんとの裁判にかかった弁護士費用や和解金などを合わせると、かなりの金額が必要な状況が続いていると考えられる。

生活費削減、クリスマス不参加

 この「国際貿易での人脈」がそのままヤン氏だとは断言できない。アンドリュー王子に近づく「代わりの収入源」はこれまでも大勢いたからだ。ただし、その顔ぶれは英誌のコラムで「友人関係の趣味は昔から悪かったと言っても過言ではない」と一刀両断されるようなものである。

 前述の伝記本は、チャールズ国王が近頃、アンドリュー王子の生活費の削減と、私設警備員への支払い中止を指示したことも明らかにした。ロイヤル・ロッジの件はチャールズ国王が譲歩したとも報じられていたが、新たな「代わりの収入源」が見つからなければ再び退去待ったなしの状況になると示唆している。

 さらに16日には、ロイヤルファミリーが集まるサンドリンガム・ハウスでのクリスマスに、アンドリュー王子が参加しないことも報じられた。英メディアによれば「名誉ある形で退く」とのことだが、出禁を言い渡されたのかは不明だ。ともあれ「溺れる者は藁をもつかむ」状況になる前に、おとなしく引っ越しを受け入れ、この先は静かに隠居することが最良の策であることは間違いないだろう。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。