中山美穂さんの悲劇で注目の「ヒートショック」対策 断熱ジャーナリストは「3LDKマンションなら20万円台で可能」補助金でほぼ半額に
意外とお手頃な「内窓追加」
日本の住宅の断熱性能については、こんな興味深いデータもある。
「冬に家の中の寒暖差で亡くなる人の割合が、最も少ない都道府県は実は“北海道”なんです。それはなぜかというと、北海道では高レベルで断熱された住宅が多いからなんですね。ちなみに2位は青森県で3位は沖縄県です」(高橋氏)
言い換えれば、北海道よりも東京の方が家の寒さで亡くなる人が多いということにもなる。改めて住宅の寒さ対策の重要性が分かるデータだが、大多数の人は、既に“断熱性能の低い”家に暮らしている。なにか自分たちで出来る対策はあるのだろうか。
「日本の住宅の1番の弱点である“窓”は、樹脂製サッシの内窓を追加することで断熱性能を大幅に改善することが可能です」(同)
お値段は掃き出し窓で10~20万円ほど、腰窓で6~10万円ほど。仮に3LDKのマンションで、リビングと居室に掃き出し窓、残り2部屋に腰窓があった場合では、トータル費用は約40~50万円ということに。
「さらに環境省が実施している『先進的窓リノベ』という補助金制度を使えば、費用の約半額の助成を受けることができます。上記の3LDKの例では、自己負担は20万円台で断熱性能を改善することができるのです」(同)
家族の人数分、ちょっといいアウターを買うぐらいなら、窓にコストをかけた方が寒さ対策としてはコスパが良さそうである。
ちなみに、自治体で省エネ改修補助金が出ている場合は併用することができ、さらにお得になるとのこと。補助率は窓のサイズや性能によって異なるそうだ。
「一戸建ての場合、特にヒートショックの起こりやすい浴室や脱衣所、トイレだけでも樹脂製の内窓を追加しておくと予防効果があると思います」(同)
「内窓追加」の効能は、リクシルやYKKなど、窓メーカーのショールームでも体感できるという。手軽にできるヒートショック対策として、検討してみてもいいかもしれない。