「103万円の壁」引き上げで手取りはどれだけ増える?  所得税20%の人は「無条件で15万円アップ」

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「イエ単位の税制が時代に合わなくなっている」

 また、「103万円の壁」は、扶養控除がなくなるラインとしても意識される。

「配偶者控除や配偶者特別控除の問題も報じられています。パートなどで働いている妻の年収が103万円を超えると夫の配偶者控除がなくなりますが、代わりに配偶者特別控除が使えるようになり、同様の控除が受け続けられる。ただし、150万円を超えると徐々に控除額が減っていき、約201万円で特別控除もなくなります」(橘氏)

 配偶者特別控除が満額適用されなくなるラインは「150万円の壁」とも呼ばれる。

「日本の税制はイエ(家)単位で、それが時代に合わなくなっているのは事実です。しかし基礎控除の話に絞らないと、本質とずれた話がどんどん出てきてしまいます」(同)

 後編【「減税したら税収が増えるというのは幻想」 過去にアメリカも大失敗…「現在よりもインフレで苦しむ人が出るリスクも」】では、実際に「基礎控除の引き上げ」が行われた場合のリスクについて解説する。

週刊新潮 2024年11月28日号掲載

特集「全国6700万人の『就業者』必読 『103万円の壁』完全解説」より

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