腸に酸素を送り込む!? “コロナ”と“誤嚥性肺炎”から人類を救うかもしれない「腸呼吸」最新研究
そのうち肺で呼吸する必要がなくなる? 常識をひっくり返すような臨床試験が6月21日から始まった。
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「これは『腸換気法』と言って、東京医科歯科大学の武部貴則教授らが率いるチームが開発した技術です。簡単に言うと腸に酸素を送り込み、そこで吸収させてしまうというもの。実現できれば、呼吸不全を来す新型コロナ感染症や筋ジストロフィーなど、幅広い適応が期待できます」(全国紙科学部記者)
魚類からヒント
きっかけは魚類や両生類の一部に備わる腸呼吸にヒントを得たことだ。例えば水中ではエラ呼吸しているドジョウは、泥など低酸素の環境になると腸で呼吸を始める。腸には毛細血管が密集しており、そこから酸素を吸収できるのだ。実をいえば、人間も直腸付近に血管が集まっており、薬を効率よく吸収させるために座薬が利用されてきた。
「そこで教授らは哺乳類も腸呼吸が可能か実験してみたのです。酸素ガスや酸素が豊富に溶けた液体を腸管内に送り込むというものですが、最初はマウスやラット、次にブタで実験。いずれも腸呼吸が可能で、とくにマウスでは致死的な低酸素下でも2時間以上、生きることが分かりました」(同)
誤嚥性肺炎にも“可能性”
2021年5月、武部教授らは研究成果を発表。当時はコロナ禍のため体外式膜型人工肺「エクモ」が不足していたこともあって、研究は注目を浴びる。それから3年余り、いよいよ人での試験が始まったわけだ。酸素を吸収しやすい「パーフルオロデカリン(PFD)」という物質を、お尻から直腸へ注入するというものだ。
武部教授に聞いてみる。
「(臨床実験は)成人にどれだけ安全に注腸できるか確認するのが目的です。PFDは最近問題になっているPFASの一種ではありますが、危険とされる規制物質ではなく、生体内には吸収されずにそのまま排出されます」
研究チームは4~5年後に医療現場での実用化を目指しているが、老人に多い誤嚥性肺炎にも使えるのだろうか。
「消化器への負担などを慎重に議論する必要がありますが、急性呼吸窮迫症候群を引き起こすような疾患ですので、可能性はあるかと思います」(同)
この新技術、陸上競技選手や防衛関係者など、医療以外からも引き合いがあるという。いったい何に使うつもりなのだろう。