「潜入捜査で半月ほど留守にするけど心配するな」…美人女子大生をダマした「ニセ麻薬取締官」の呆れた手口
「ごめんね。職場に電話しちゃった」
午後9時を回っていただろうか。私のデスクに外線電話がかかってきた。当時の私は、現役の麻薬取締官だった。
「ごめんね。職場に電話しちゃった。どうして電話をくれないの。携帯も繋がらないし、メールの返信もない。もう2ヵ月よ!」
――ちょっと待って。どなたですか?
「私よ、無事なの、心配したんだから。……でも、なんか声の感じも話し方も違うね」
間違いなく私を指名した電話だった。しかし、彼女の言っていることがよく分からない。記憶を喚起してみたが、心当たりはない。...