島根1区補選 岸田首相が“車座対話”で大ひんしゅく…自民党関係者は「これでまた票が減った」

国内 政治

  • ブックマーク

岸田首相の「鶴の一声」

 時事通信が代表撮影を担当し、キャプションに「車座」の単語を使って今も写真を配信している。この写真を見てみると、安倍氏は住民と一緒に輪を作って座ったことが分かる。そのため安倍氏の両端には2人の住民が座っている。

 なぜ、岸田首相は辞書の定義とは異なる場所に座ったのだろうか。Xで検索してみると、2つ疑問の声が見つかった。

 一つは《岸田が座の真ん中に座る(今回は畳の上の椅子)必要があるの? 辞書を見る限り、車座の列に並んでいれば良いようです》というもの。もう一つは少し下品だが《岸田の後ろの人は最悪だな奴のケツばかり見てないといけないのか》というものだった。

 実は自民党関係者の間でも、この妙な車座が話題になったという。関係者は「最初の案では、車座の真ん中に位置するのは司会役だったそうです」と明かす。

「あくまでも岸田首相は『車座』の意味通り、参加者と一緒に輪になっているはずでした。ところが実際は岸田さんが真ん中に座った。どうやら『自分が真ん中にいないと絵にならない』というご本人の意向でああなったようです。確かに目立つでしょうが、岸田さんの背中側にいる人は表情が全く見えません。あれじゃあ車座対話の意味をなさないという声が出ていました」

背中側は激怒

 そもそも岸田首相が島根県に入ることすら、地元では反対意見が強かった。地元紙の山陰中央新報は8日、「岸田首相に来てほしくない 『政治とカネ』で逆風、告示後島根入り調整も『逆効果』 衆院島根1区補選」との記事を配信した。

 記事では多くの自民党関係者が、岸田首相の島根入りを「来てほしくない」と拒否。大半が匿名なのは当然だが、何と2人が実名で取材に応じている。これはかなり珍しい。

 自民党の選対副委員長を務める衆議院議員の牧原秀樹氏は島根県を訪れた際、山陰中央日報の取材に応じて「本当に首相が入るのがいいかどうか、よく見極めないといけない」との考えを示したという。

 さらに島根1区の選対本部で事務本部長を務める嘉本祐一氏も同紙の取材に「首相が来ることは選挙にマイナスではないかとの意見は聞いている」と率直に語っている。

「そんな逆風の中、岸田首相は島根県に入り、安来市の『車座対話』でヒンシュクを買ってしまったというわけです。開催の準備に追われた自民党関係者だけでなく、出席者からも不満の声が出ました。首相の背中側に座らされた人は、『自分の顔も見ないで話をするような総理総裁が引っ張る自民党は支持しない』と怒っていたそうです。『車座対話』のおかげで、さらに票が減ったというのが実感です」(同・関係者)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。