尼神インター・誠子も……女性芸人が「美人化」を目指さざるを得ない“意外”な理由

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女性芸人のセカンドキャリアは「ママ」しかない? 海外流出する才能ある女性芸人たちに見る「ロールモデルの少なさ」

 一般企業でも、若い女性たちは「ロールモデルとなる先輩女性がいない」という。現在アラサー前後の女性たちも、その問題に直面しているのではないだろうか。

 上沼恵美子さんのような飛び抜けた存在を除き、30代で結婚・出産を経た女性芸人たちはだいたい「ママ」キャラにシフトしていく。ワイドショーで「主婦目線」で語るコメンテーターや通販コーナーのガヤになる。優れた観察眼で「嫌な女」の再現ネタが上手だった横澤夏子さんや柳原可奈子さんも、今では芸人というよりママタレという印象が強い。ブスの自虐ネタと同様に、女性をけなすようなネタに白い目が向けられるようになったことも大きいだろう。

 セカンドキャリアを語る以前に、ファーストキャリアの土台を固めるのも難しい女性芸人ではあるが、最近では海外に希望を見いだす人も増えた。すでに渡辺直美さんという成功例はいるが、今月からフワちゃんは海外に拠点を置くという。ダイエットや女優業が話題になったゆりやんレトリィバァさんも、今年中の海外移住を宣言している。オアシズの光浦靖子さんのカナダ留学も、共感と憧れを集めたようだ。

 美容や恋愛を語るトーク番組ばかりにまとめて放り込むくせに、いざ美人になると怒られる。生き方の多様化は叫ばれる一方で、女性芸人の生き方の多様化には厳しい現実。このままでは女性芸人の芽を摘むだけでなく、優秀な人材の海外流出という“笑えない”状況になってしまうのではと思うばかりだ。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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