スカウトは「こんな選手がいるのか!」と驚いた…198cmの“超大型右腕”にプロ注目のスラッガー、そして“有名進学校”の好打者

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バッティングは関東全体でもトップクラス

 野手でもう1人、スカウト陣から頻繁に名前が聞かれるのが、桐朋の森井翔太郎(遊撃手兼三塁手)だ。桐朋は、東京都内の有名進学校であるが、野球部は目立った成績を残していない。

 森井は、早くから頭角を現して、昨年夏の西東京大会、東海大菅生戦では日当直喜(現楽天、2023年ドラフト3位)からヒットを放っている。筆者は、昨年秋の東京都大会ブロック予選の対新宿戦で、森井のプレーを初めて見た。楽に振っているようでも打球が軽々と外野の頭を超えるバッティングは見事だった。さらに、投手を兼任しており、練習で151キロをマークするなど、肩の強さも魅力的だ。

「最初に見た時はこんな選手がいるのかと驚きました。楽しみという次元ではないですね。上に勝ち進むような強いチームではないので細かいプレーとか、少しバットが外から回るなどは気になりますが、バッティングに関しては東京だけでなく関東全体でもトップクラスだと思います。肩も強いですし、ショートは難しくてもサードなら十分上のレベルでやれるだけのものは持っています。本人も進学ではなく、プロ志望と聞いています」(パ・リーグ球団スカウト)

 春の東京都大会は2回戦で敗れ、残す公式戦は夏の西東京大会だけとなった。そこでどんなプレーを見せてくれるかが楽しみだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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