センバツ「飛ばないバット」に賛否両論 監督からは「高校野球のレベルを上げる」の声

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「高校野球のレベルがますます上がる」

 もとより従来のバットに慣れた球児がプロ入り後、木製バットへの対応に苦慮することは知られている。

 夏の高校野球で大会個人最多本塁打(6本、17年)の記録を持つ中村奨成も、鳴り物入りのドラフト1位で地元の広島入りしたが、プロ通算7年目で本塁打は2本のみ。

 中村の出身校・広陵(広島)の中井哲之監督は、新基準のバットについて、

「慣れに時間がかかるかもしれないが、これが当たり前になれば、今の高校野球のレベルの高さ・練習法・情報量からみて、ますますレベルは上がる。今後はこのバットでしか練習しないから、レベルは上がるしかない」

 その先に考えられるのは“超高校級”とされる高校野球出身選手が、プロ入り後に本領を発揮するまでの時間が短縮されること。この点についても中井監督は「あると思う」と明言した。

木製バットで試合に臨む選手も

 実際にそれを見据えた球児も現れている。今大会ベスト8の青森山田。3番の対馬陸翔外野手(3年)、5番の吉川勇大内野手(同)は低反発金属バットではなく、木製バットで試合に臨んだ。

 ともに今後を考えた上での選択だという。とはいえ、1本1万5000円から2万円もする木製バット。折れることが多く、野球部員や保護者の経済的負担軽減を主目的として金属バットが導入された経緯がある。財布に厳しい木製バットの使用はプロ入りを目指すなら先行投資と割り切れても、一般の高校生には負担を強いるにも限界が。となれば、木製の感覚に近い低反発金属バットはアリだろう。

 プロとして通用する選手を見つける近道――。新たなバットに託された役割か。

週刊新潮 2024年4月11日号掲載

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