競馬ファンから「これも“紅麹”問題の影響?」の声…「小林製薬会長」所有馬の名義が変わっていた裏事情

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もしや、このまま

 4月6日(土)、阪神競馬場で行われた「大阪-ハンブルクカップ」。大阪市とドイツ・ハンブルク市が友好都市提携を結んでいることに由来するこのレースは、春の天皇賞を目指す馬たちの前哨戦のひとつとして位置付けられている。芝2600メートルという長距離で争われ、今年は歴戦の強豪馬14頭が集まった。

 スポーツ紙デスクがレースを振り返る。

「1番人気のレッドバリエンテが、ゆったりとしたペースでレースが進む中、道中は中団でしっかり足をため、最後の直線で馬群の中から割って出て、最後までよく伸びて他の馬をまとめてかわし、堂々の1着でした。競馬のお手本のようなレースでしたね」

 その一方で、

「見せ場を作ったのは10番人気のジャンカズマ。逃げの手を打ち、スタート直後から前につけ、ギリギリまでハナ(先頭)を譲らなかった。“もしや、このまま勝つのでは”と場内のファンをざわつかせました。残り100メートルで他馬に抜かれ、7着となりましたが、まだまだ活躍してくれそうです」

 そんなジャンカズマだが、実はレース前から、別の意味でも注目を集めていた。中年競馬ファンが続ける。

カズマという名前は…

「パドックを見ていて、あ、と気がつきました。ジャンカズマの勝負服が違うのです」

 勝負服とは、馬に騎乗する騎手の服のこと。服のデザインは、馬主ごとに違っており、競馬ファンは、自分の応援する馬の勝負服を覚えておき、レース中の馬の位置を確認するのだ。

「ジャンカズマの勝負服といえば、白地に緑の十字襷が入り、袖にも2本の緑の輪が入っているもので、3月中旬に開催された前走の阪神大賞典でもジョッキーはその勝負服を着ていた。ところが今回は、赤地に黄色の縦縞3本に、両袖に緑の輪という勝負服に変わっていたのです。もしやと思い競馬新聞を確認したところ、馬主が変更になっていました」

 ジャンカズマのもともとの馬主といえば、合同会社雅苑興業という会社。実はこの会社のオーナーは、あの小林製薬の会長・小林一雅(かずまさ)氏。そう、カズマという名前は、一雅氏から取られているのだ。

 競馬関係者が解説する。

「小林製薬の会長・一雅氏は、競馬好きが高じて、10年ほど前から馬主として活動を開始。ただ、小林製薬名義で馬を買うと、株主から顰蹙を買うからか、別会社を構えたとされています。これは、他の馬主さんもよくやる手法です。雅苑興業の通算勝利数は、中央で69勝、地方では87勝と、まずまずの成績。まだG1を獲ったことがなく、それこそ先のジャンカズマが最も近かったのですが……」

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