政府資料に「中国企業」のロゴ問題で「河野太郎」大臣が逃げ回る理由 “もう一人のキーマン”を直撃すると、驚きの答えが

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政府の実施計画に反映

 問題の“ロゴ入り”資料が配られた会議とは、内閣府「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」を指す。内閣府によると、同タスクフォースが設置されたのは菅義偉政権発足にともなう2020年。同年10月の所信表明演説で菅総理(当時)は「2050年、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言し、温室効果ガスの排出削減に取り組む決意を表明した。

 菅政権下で、内閣府特命担当大臣として規制改革の「旗振り役」を務めた河野氏は、再エネ分野における規制改革でも司令塔的な役割を担い、今回のタスクフォースの責任者に就任。A氏が続ける。

「ただ当時の内閣府の規制改革推進会議では『押印廃止』などデジタル面の課題に対処するメンバーが中心で、再エネ分野の専門家はいませんでした。そのため河野氏が号令をかけ、新たなメンバーを集めることになった。同タスクフォースが規制改革推進会議から独立した形に位置付けられているのは、そういった経緯によります」(A氏)

 それゆえ、タスクフォース内で出された結論は規制改革推進会議の答申に盛り込まれない反面、政府の規制改革実施計画には反映される「“抜け道”のような奇妙な構造」(前出・記者)が生まれたという。

エネルギー版「一帯一路」

 内閣府の資料にあったのは中国の国営電力会社「国家電網公司」のロゴだが、元会長の劉振亜氏は中国共産党中央委員を務める人物で知られる。

「劉氏は“中国による一帯一路政策のエネルギー版”とも称される、東アジアの電力網を結ぶ計画〈アジアスーパーグリッド構想〉の推進機関である『グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構』の元会長を務め、自然エネルギー財団も同機構の理事会メンバーを務めていた。同構想については以前から、中国に電力供給の主導権を握られ、“日本のエネルギー安全保障を危険にさらす”との指摘が絶えませんでした」(前出・記者)

 これら懸念についてA氏に訊ねると、こう反論した。

「大林氏の推挙に当たっては当然、公開情報の範囲となりますが、財団に関することなども調べました。ご指摘のスーパーグリッド構想についても承知しておりますが、日本から韓国や中国に電気を売ることも可能となる点など、総合的に判断して“問題ない”と考えた。もともと自然エネルギー財団は孫正義氏(ソフトバンクグループ会長兼社長)が私財10億円以上を投じて設立したもので、中国政府との関わりを疑うに足る痕跡は見られなかった。ただ一方で(中国のチラつく影を)“気持ち悪い”と感じる気持ちは分かるので、きちんと調査して明らかにする方針です」(A氏)

 杞憂であれば問題ないが、政府には徹底した調査を期待したい。

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