「実力派プロデューサーも“一本取られた”」 コンプラを逆手に取る「不適切にもほどがある!」がテレビ業界を変える理由

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「実力派プロデューサーも“一本取られた”」

「テレビマンにとって、プラスの影響を与える作品になったと思います」

 と語るのは、テレビ朝日出身のテレビプロデューサー・鎮目博道氏。

「テレビがコンプラでがんじがらめになっているといわれますが、実際はそこに明文化された基準はない。どこまで許容されるのかというのを、横並びで見ているだけなんです。“あの局がここまでやったから大丈夫だろう”とか“この番組がやめているからうちもやめておこう”とか。その村社会もどうかと思いますが、この点で言えば“基準”を広げる作品になった。コンプラに手足を縛られた状況は変わりませんが、それをうまく逆手に取って笑いにしてしまう手法に気付かせてくれました」

 例えば、ドラマでは小川が不適切なことを言う度に、注意喚起の「お断わりテロップ」が流れるが、

「あれが連発されることによって逆におかしくなる。知り合いの実力派プロデューサーも一本取られたと言っていましたよ」(同)

 テレビ界の玄人をうならせたわけだが、鎮目氏は一般の視聴者へもこんな“適切な”見方を勧める。

「世代の異なる人同士で見て、笑いながらこのドラマをツールにし、それぞれの価値観を相対化してみるのはいかがでしょうか」

週刊新潮 2024年3月28日号掲載

特集「クドカンが『コンプラ社会』に一石 テレビマンも溜飲を下げる『不適切にもほどがある!』の適切な楽しみ方」より

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