「大谷翔平」違法賭博問題で思い出される「新庄剛志」の受けたヒドい仕打ち

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FBIの捜査の過程で大谷名義の送金が

 メジャーリーグ野球(MLB)、ロサンゼルス・ドジャースで大谷翔平選手(29)の通訳を務めていた水原一平氏(39)が電撃解雇された。違法賭博というあまりに大谷選手のイメージからかけ離れた言葉が飛び交い、日本はもちろん米国も大きな騒ぎとなっている。水原氏と違法なブックメーカーをめぐっては、日本の国税庁に当たるアメリカのIRS(内国歳入庁)が違法賭博に関与した疑いで捜査を進めているとも報じられている。大谷選手の口座から多額の金が送金された事実があるだけに、大谷選手本人への何らかの影響は避けられないだろう。

 日本のメディアは大谷選手に「過失」はあったかもしれないが、「犯意」はもちろんのこと「悪意」すらなかったのではないか、という見方が大半を占めている。
一方で、アメリカ側の報道はもう少し大谷選手に厳しい見方も示されているようだ。「シロが証明されない限りはグレイ」といったところだろうか。

 気になるのは、そこにある種の偏見が影響していないか、という点かもしれない。かつて日本人選手は、MLBでヒドい屈辱を味わったことがあるのだ。

 これまでの経緯をごく簡単に振り返っておこう。

MLBの調査、IRSの捜査

 今年1月、米FBIがカリフォルニア州で違法賭博の胴元であるマシュー・ボウヤーへの捜査を進める中で、大谷選手の名義での送金記録が見つかった。現在のレートで約6億7500万円がマシュー・ボウヤーの関係者に送金されていた。

 3月19日、これらの情報を掴んだスポーツメディアESPNが取材をかけた。この時点で、MLB最大最強のスター・大谷選手が違法賭博に関与した可能性があるとの情報に色めき立っていたのかもしれない。

 ESPNの取材に応じた水原氏は、2021年にボウヤー氏と出会って違法賭博に手を染め、22年末までに借金が約1億5000万円を超えた、その際には家族や友人に借りて凌いだが、2023年の前半には借金が6億円にまで膨れ上がった、と回答。水原氏がその肩代わりを大谷選手に依頼し、了承を得たとも語ったが、後にそれらの発言を撤回し、大谷選手をダマしたと打ち明けた。

 現在、大谷選手の顧問弁護士は「大谷翔平が大規模な窃盗の被害者であることがわかり、我々はこの問題を捜査当局に引き渡している」と主張している。

 MLBも調査に乗り出しており、FBIやIRSの捜査と合わせ、徐々に真実は明らかになるだろう。

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