「大谷翔平」違法賭博問題で思い出される「新庄剛志」の受けたヒドい仕打ち

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新庄にも精神的プレッシャーを

「日本人メディアへの嫌がらせを続けることで、ケントは新庄にも精神的プレッシャーをかけようとしていたのでしょう。おそらく、こういうギスギスしたチーム環境の中だったこともあり、新庄はSFジャイアンツへ移籍後、メッツ時代にほぼ必ず日々行っていた試合後の日本人メディアへの取材対応もパッタリとやめてしまった。とにかく、この頃の新庄はクラブハウスでも暗く、ダンマリを決め込んでいることが多かった」(同)

 それでも新庄選手は腐ることなく、ただ黙々と仕事をこなし続けた。

 高い守備力や勝負強い打撃を監督から評価され、ほとんど他人を褒めることがなかったキングことボンズも「新庄は素晴らしいプレーヤーであり、何よりもナイスガイだ」と賞賛。MLBで2年目のこのシーズン、日本人メジャーリーガーとして初めてワールドシリーズ出場の快挙を成し遂げたサクセス・ストーリーの裏側には、壮絶な“イジメ”にも屈しなかった新庄のタフな精神力があったと言えるだろう。

 新庄選手はメッツへ2003年シーズンに舞い戻ったが、ここでも受難が待ち構えていた。

クラブハウスの治安は保たれているが

 オープン戦で打率4割2分6厘と、リーグトップクラスの成績をマークしていたにもかかわらず、開幕戦では出場機会すら与えられなかった。実は当時の監督にも「日本人嫌い」の一面があり、それが遠ざけられた理由なのだという説が根強い。新庄は、日本人嫌いの指揮官から露骨に疎外された挙げ句、中途半端な起用法を強いられることによって次第にペースを崩していくことになる。

 幸いなことに、2015年12月にドジャースの指揮官に就任したデーブ・ロバーツは父がアフリカ系アメリカ人、母が日本人で沖縄生まれ。就任会見では「沖縄、日本は自分の一部」と語っていたし、今回の韓国遠征の際に母と面会したことも明かしている。監督が少なくとも差別的な観点で大谷選手を疎外する理由は見当たらないだろう。

「当然、ボンズほどのキングやケントほどの存在も見当たらないことから、クラブハウスの治安は保たれていると期待しています。ただ、大谷選手の活躍を快く思わない勢力が球場の外、それこそ全米の津々浦々にいることは間違いない。これまでは異次元の活躍で批判勢力を黙らせてきたわけです」(同)

 かつてないほどの逆風を実力で跳ね返すことを多くのファンが願っているのは間違いない。

デイリー新潮編集部

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