女性にありがちな「生理」の誤解 “柔道の道着の白さ”に悩んだ自分に伝えたいこと
誰もが「調子が悪い」わけじゃない
【ケース1】月経期間中は調子が悪い!という思いこみ
私は月経教育で、「自分の身体は自分にしかわからない」ということを強調してお話ししています。なぜなら、女性は月経期間中には調子が悪いものだ!と思いこんでいる人が少なくないからです。これは特に、月経を経験できない男性に多いように思います。
月経期間中に月経痛などに悩まされる人が多いのは事実ですが、月経期間中でも調子がよいと感じている人もいます。
私が知るあるアスリートは、指導者の「調子が悪い」という決めつけに対し、「自分は大丈夫なのに」と戸惑っており、コンディション調整がかみ合わず悩んでいました。また、過去には「月経中じゃないと調子が上がらない。試合に向けて月経が来ないのが心配だ」という相談をしてきたアスリートもいました。
人によって調子の良し悪しは違います。一方的に決めつけて話をしないことが大切です。子どもが月経をどう感じているのか、月経中や月経前のコンディション(体調や状態)はどうなるのかということを、フラットな立場で把握し、誤解せずに対応したいものです。
同性だからこそ理解し合えないことも
【ケース2】自分は月経で困ることがないので、他者の月経状態を理解できない(しない)
これは、アスリートが月経痛や月経前の症状を訴えても女性の指導者が月経に困る経験をしたことがなかったので、取り合わなかったケースです。まったく取り合ってもらえなかったアスリートは、二度と指導者に相談をしないと心に決めてしまいました。
月経は人により症状や状態が異なります。まったく月経痛がない人もいれば、月経痛で寝込んでしまう、月経前の様々な症状にひどく悩まされる人もいます。人によって異なる状況があるということを大人は理解しておかなければなりません。
特に女性の場合には、同性だからこそ理解できる部分もある一方で、安易に自分の経験を他者に当てはめてしまう恐れもあります。子どもの訴えは決して否定せず、そのまま受け止め、「個々の状況」を理解し対応することが大切です。子どもが安心して、積極的に相談し、考えていこうと思えるような対応を心掛けていただきたいと思います。
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