甲子園優勝4回の名将「門馬敬治」が再び聖地へ 創志学園が初戦突破、プロ野球の上位クラスに匹敵する“スピード”を披露!

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「ここで夢を持って勝負しようと思っています」

 取材が始まってから終わるまでに「まだまだ」という言葉が3度聞かれ、そこからも決して満足していないことがよく分かるだろう。東海大相模時代から、負けに繋がるプレーをいかに潰すことができるかということが大事と話していたが、そのあたりの徹底する力こそが門馬監督の指導するチームの強みと言えそうだ。

 ただ、創志学園の監督に就任してまだわずか1年半であり、東海大相模のような伝統もないチームを指導して鍛え上げることは苦労もあったのではないだろうか。そんな問いに対して門馬監督はこう答えてくれた。

「苦労とか大変だとかいうことは一切ありません。自分が決めて選んだ道です。自分で、ここで夢を持って勝負しようと思っていますから、全てを受け入れようという気持ちで取り組んでいます」

 そう言い切る言葉には力がこもっており、聞いているこちらにも並々ならぬ覚悟で新たなチームを作ろうとしていることが感じられた。

 過去に異なるチームの監督として甲子園で優勝を経験しているのはわずかに4人しかいない。その1人が門馬監督の恩師でもある故・原貢氏(三池工・東海大相模で甲子園優勝)である。そんな恩師に肩を並べる日も遠くない。そんなことを感じさせる甲子園通算“31勝目”の戦いぶりだった。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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