「暴行を受けた栃神山は引退届を出させられた」 “白鵬追放”の急先鋒・春日野親方に「暴力隠蔽」疑惑が

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足で起こし、胸ぐらを…

 協会に書面で質問を送ると、およそ以下の回答が返ってきた。

「春日野親方から危機管理部長が聞き取った内容は次の通りです。2月13日、当時は関取だった栃武蔵の付け人だった栃神山が、指示された仕事をせずに寝ていた。それを発見した栃武蔵が足で起こした。そこでさらに指示を出したにもかかわらず、栃神山が仕事をしなかったので、胸ぐらをつかんだ。その行為に対して栃神山が暴力を振るわれたと大騒ぎし、部屋を飛び出した。周りの力士たちにも確認をしたところ、上記の証言と相違がなかった」

 春日野親方がこの暴力行為を隠蔽したのではないか、との質問に対しては、

「2月14日、春日野親方より危機管理部長に報告があったため、隠蔽はないと考えております」

 その他、栃神山の引退届は出されているが手続きがまだ完了していないこと、栃武蔵は2月14日に左肩を手術したので休場していることなどを明かした。

協会ぐるみで隠蔽?

 さて、協会は以上の回答によって、被害は栃神山の主観であって、暴行はなかったと主張したいのかもしれないが、そうは通らない。栃神山が「暴力を振るわれた」と言っていたことを認識しているわけで、であれば被害者にも丁寧な聞き取りを行うなど、さらなる調査が必要なはずだ。春日野親方からの聞き取りだけで、安易に結論を下すことはできまい。

 そして、1カ月以上も外部に事実関係を公表しておらず、春日野親方が本誌(「週刊新潮」)の取材を拒否したことからも、協会ぐるみで隠蔽を図ろうとしていたとみるのが妥当ではなかろうか。

 昨年、陸奥(みちのく)部屋でも暴行隠蔽が発覚したが、協会ナンバー2の事業部長だった元大関霧島こと陸奥親方(64)の処分は極めて軽い報酬減額にとどまった。

 仲間にはとことん甘く、敵にはひたすら厳しい不公平な協会に、宮城野親方を裁く資格はあるのだろうか。

週刊新潮 2024年3月28日号掲載

ワイド特集「神様はお見通し」より

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