センバツ “父は元中日投手”八戸学院光星エース、洗平比呂が「156球」の大熱投! スカウトも熱視線「高校生左腕で上位クラス」と高評価

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3度目の甲子園出場

 3月18日に開幕した第96回選抜高校野球。開幕カードとなった関東一(東京)と八戸学院光星(青森)の対戦は延長タイブレークにもつれこむ接戦となり、八戸学院光星が5対3で勝利をおさめた。両チームとも優勝候補の一角と見られており、どちらが勝ってもおかしくない好ゲームだったが、その中で、一際素晴らしいパフォーマンスを見せたのが、八戸学院光星のエース、洗平比呂(あらいだい・ひろ)だった。【西尾典文/野球ライター】

 洗平は元中日投手である竜也氏を父に持ち、2歳上の兄である歩も国学院大でプレーする野球一家で育っている。自身も既に1年から2年連続で夏の甲子園に出場しており、これが3度目の甲子園出場となる。昨年の夏の甲子園は、初戦で明桜(秋田)を相手に完封勝利をおさめるなど、チームの準々決勝進出に大きく貢献した。昨秋は、夏の甲子園で3試合に登板した疲れも考慮されてか、公式戦での登板は3試合にとどまった。それでも17回を投げて1失点、20奪三振という見事な成績を残している。

 この日は、強打の関東一打線を相手に3回まで内野安打1本という安定したピッチングを披露。中盤に少し四球が重なって球数は多くなったものの、9回を2失点、自責点1の好投でしっかりと試合を作った。

 試合後、156球を投げ終えたとは思えない余裕のある表情で会見場に現れた洗平は、自身の投球についてこう振り返った。

「(中盤に)四球を続けて出して、球数も多くなってしまいましたが、5回に先制された後に崩れずに粘れたのは良かったです。去年の夏に敗れた土浦日大戦では一気に崩れてしまったので。点数的には60点から70点くらいです。調子的には良くも悪くもないという感じでしたが、今日の状態での100%に近い投球はできました。次の試合までにしっかりコントロールも修正して、出力ももう少し出せたらいいなと思います」

サヨナラの走者を“牽制アウト”に

 3度目の甲子園ということもあってか、質問に対しても終始落ち着いて答える姿が印象的だった。また、打者との対戦以外でも成長を見せたのが2対2の同点で迎えた9回裏だ。ワンアウトから1番の飛田優悟にセンター前ヒットを浴びてサヨナラの走者を背負ったが、自身の牽制球でアウトにして見せたのだ。

 洗平は、この場面について「ランナーはトップバッターで足も速いですし、場面的にもギャンブル的にスタートを切ってくる可能性が高いと思っていました」と答えている。このような視野の広さも大きな長所と言えるだろう。

 そんな洗平に対してプロのスカウト陣もスタンドから熱い視線を送っており、もちろん注目度も高い。この日は、開幕ゲームということもあってか球場のスピードガンが不調で表示されないボールが多かったが、スカウト陣の計測では最速146キロをマークしていたという。

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