中学受験で志望校に合格したけれど…「燃え尽き症候群」からの不登校・退学を防ぐ“親の行動”とは

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高校への内部進学などには厳しい基準が

 成績はあまり上がらないままだったが、ノブキ君はなんとか赤点を回避、ギリギリ高校に上がれた。成績が悪くて高校に上がれない生徒は毎年数人いるが、ノブキ君の学年は例年よりかなり多く、約1割の生徒が上がれなかったそうだ。

「高校への内部進学には厳しい基準があり、それをクリアしなければなりません。さらに高校でも、進級や大学の内部推薦にも厳しい基準があります。そのため毎年のように留年する生徒がいて、学期が変わるたびに誰かいなくなる。つまり進級の見込みがなくなって、退学するのです」

 ある有名大付属高では、1学年につき留年できるのは1回までで、高校3年を6年かけて卒業した例もあった。また、付属の小学校から高校まで12年もお金をかけたのに、大学の推薦をもらえなかった例もあった。

 付属だから上へ上がれるだろうと甘くみていると、痛いしっぺ返しをくうことになる。

合否より大事なこととは

 私は拙著『中学受験をして本当によかったのか? ~10年後に後悔しない親の心得~』(実務教育出版)のなかで、中学受験した親子を数多く取材した。そこで見えてきたのは、受験の合否より大事なのは、入学後の子どもが勉強も学校生活も前向きに取り組める状態にすることだ。それには、親の声かけが重要になってくる。

 滑り止め校に合格最低点で合格したケント君のお母さんは、「私はご縁のあった学校が一番いい学校と思っていたので、『いい学校でよかったね』とケントに言い続け、『勉強しなさい』とは絶対言わないで、子どものやることを応援して、聞き役に徹しました」と話す。すると、ケント君は勉強にも学校生活にも前向きに取り組み、どんどん成績が伸びて、東大に現役合格した。

 滑り止め校にしか合格できなかったダイキ君の場合も、お母さんは「『すごくいい学校だね』『あなたたちは本当にすごいね』とポジティブな声かけをするようにしていました」と話す。その結果、ダイキ君は部活や委員会でも活躍し、成績も伸びて、東大に現役合格した。

 子どもが「燃え尽き症候群」にならず、勉強も学校生活も前向きに取り組むために、親は子どもへの声かけに気をつけたいものだ。(文中のカタカナの人名は全て仮名)

小山美香(こやま・みか)
大学時代からフリーライターに。大学卒業後は「サンデー毎日」(毎日新聞出版)の編集記者を経て、フリーランスに転身。中学受験情報サイトでのべ160校以上の私立中学校高等学校を取材したほか、現在は不登校や通信制高校、子ども食堂など、子どもをめぐる事象について取材・執筆。著書に『中学受験をして本当によかったのか? ~10年後に後悔しない親の心得』(実務教育出版)がある。

デイリー新潮編集部

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