「光る君へ」業界のプロから「ながら視聴に向いている」と言われるワケ

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 初回視聴率が史上最低の12・7%を記録したNHK大河ドラマ「光る君へ」。この先どうなることかと心配されたが、3月10日放送の第10話は10・3%と、なんとか一桁落ちをまぬがれた。高い数字ではないが、低いとも言いがたい――そんな状態が続く理由とは? (視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)

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 ちなみに、大河ドラマ史上最低の視聴率を記録したのは、2019年の「いだてん~東京オリムピック噺~」だ。初回は15・5%とまずまずの数字だったが、第6話で9・9%と史上最速の二桁割り、第16話で単話の最低記録(12年「平清盛」第45話=7・3%)を更新する7・1%。その後も視聴率は下がり続け、最も低かったのは第39話の3・7%。結局、全話平均の視聴率は8・2%となった。

「いだてん」と比べると「光る君へ」は安定していると言っていいかもしれない。民放プロデューサーは言う。

「初回が放送された1月7日は、元日に発生した能登半島地震のために放送が延期されていた『芸能人格付けチェック!2024お正月スペシャル』(テレビ朝日/朝日放送テレビ制作)が裏番組となりました。『格付けチェック』が20・7%を記録した一方で、強敵を相手に二桁を取ったのですから、むしろ大健闘と言っていい。その後も二桁を割っていないのは立派です」

 民放の1月期ドラマと比べても遜色がない。3月10日放送の日曜劇場「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜」(TBS)第9話の視聴率は10・3%。「光る君へ」と同率で、現時点での全話平均では大河が上回っている。

「人気シリーズ『相棒Season22』(テレ朝)と互角の勝負をしています。最低記録でスタートしたとは思えないほど健闘しています」

 ただし、初回放送の前にもかかわらず「高視聴率は狙えないだろ」うと思った視聴者は少なくないだろう。

過去7作の平安大河

「その理由としてまず挙げられるのは、物語の舞台が平安時代ということです。大河ドラマでテッパンの時代設定は戦国時代か幕末です。過去に平安時代が描かれたのは、NHKのHPによると5作しかない。厳密には7作あると思いますが、いずれにしても多くありません」

 過去の平安大河は以下の通り。

●1966年「源義経」 源義経(尾上菊之助[現・菊五郎])【平安末期】
●1972年「新・平家物語」 平清盛(仲代達矢)【平安末期】
●1976年「風と雲と虹と」 平将門(加藤剛)【平安前期】
●1993年「炎立つ」 藤原経清(渡辺謙)、藤原清衡(村上弘明)【平安中期~末期】
●2005年「義経」 源義経(滝沢秀明)【平安末期】
●2012年「平清盛」 平清盛(松山ケンイチ)【平安末期】
●2022年「鎌倉殿の13人」 北条義時(小栗旬)【平安末期~鎌倉初期】
 
「平安末期の源平ものが5本、平安中期が1本。『光る君へ』以前の時代を描いた唯一の大河『風と雲と虹と』も主人公が平将門ですから、すべて武将もの、武闘ものでした。ところが、『光る君へ』の主人公は紫式部(吉高由里子)で、舞台は藤原家など貴族の物語ですから、派手な立ち回りや合戦も皆無です。初回で、まひろ(のちの紫式部)の母親(国仲涼子)が殺害されてしまったのはショッキングでしたが、それ以降は歌を詠んで蹴鞠をしてというシーンばかりで、動きがありません」

 キャスティングにも少々問題が。

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