【リニア問題】知事は私たちが思っていないことを発言している…気が付けば、川勝知事の方針に異を唱える地元首長が続出 再び暴言で窮地に拍車

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 リニア中央新幹線の建設を巡って、川勝平太・静岡県知事に対して地元首長の“包囲網”が作られつつある──。最近、こんな指摘を関係者から耳にする。川勝知事が着工を認めないため、リニアの静岡工区では工事が行えていない。知事の問題点を指摘するため、あえてリニア以外の話題から先に取り上げさせてもらおう。

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 実は3月13日から14日にかけて、主要な新聞社やテレビ局が相次いで川勝知事の問題発言を報じたのだ。担当記者が言う。

「13日午後、女子サッカー・なでしこリーグ1部所属で、磐田市を本拠地とする『静岡SSUボニータ』の監督や選手などが川勝知事を表敬訪問し、17日に開幕戦を行うと報告しました。すると川勝知事は、なぜかサッカーの名門高として知られる県立藤枝東高校について言及し、『藤枝東はサッカーをするために入ってきている。学校もボールを蹴ることが一番重要なこと。勉強よりも何よりも』と述べたのです」

 藤枝東の在校生、卒業生、関係者にとって、驚くべき発言であるのは言うまでもない。さらに川勝知事の発言は続いた。ボニータのホームタウンである磐田市についても「磐田というところは文化が高い。浜松よりもともと高かった」と言い放ったのだ。

「ここで思い出すのが、2021年10月の問題発言です。川勝知事は参院補選の応援演説で浜松市と御殿場市を比較し、『あちら(註:御殿場市)にはコシヒカリしかない』と揶揄するような発言をして物議を醸しました。知事は『今度迷惑をかければ辞職する』と言ったにもかかわらず、同じような比較発言をまた行ったことになります。(同・記者)

流域首長の“反旗”

 問題発言であることは間違いない。表敬訪問の後、ちょうど知事の定例会見が開かれる予定になっていた。出席した記者は発言の真意について問いただした。

 藤枝東高に対する発言について川勝知事は「サッカーを大事にしている学校であるということの別表現」と弁明。磐田市については「歴史的事実を言っただけ」と主張した。

 たとえ川勝知事が謝罪しても、磐田市民、藤枝市民、浜松市民の中で不快な想いが消えない人はいるだろう。にもかかわらず、知事が謝罪をすることはなく、『私は自分の思っている通りのことを場を心得て話している』と開き直ってしまった。川勝知事の“失言癖”は極めて問題と指摘せざるを得ないが、リニア問題を巡っても、地元首長から知事に対して異論が相次いでいる。

 例えば2月25日、大井川の流域に位置する8市2町の首長とJR東海が意見交換会を行った。そこで首長たちは川勝知事の方針とは正反対の要望を行ったのだ。

「意見交換会が終了すると、染谷絹代・島田市長が報道陣の取材に応じ、その際の発言が注目を集めました。染谷市長はJR東海に流域首長の総意として、地質などを調べる『高速長尺先進ボーリング調査』を、住民の不安を払拭するため『早く着実に進めてもらいたい』と要望。さらにボーリング調査で山梨県側に地下水が流出したとしても、『大井川に戻さなくていい』と伝えたことを明らかにしたのです」(同・記者)

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