日本映画初の快挙「ゴジラ-1.0」に映像プロ「白組」の存在 予算はハリウッド版の10分の1

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ストライキも影響か

 最大のライバルは、VFXを駆使したハリウッド映画としては低予算と言われた「ザ・クリエイター/創造者」。「ゴジラ-1.0」の製作費は1500万ドル(約22億円)と伝えられている。ハリウッド版ゴジラも、軒並み1億5000万ドル程度はかけられており、ハリウッド大作の10分の1の予算で作られたことになる。予算規模は賞への評価には関係ないが、このローバジェットで見せた高いクオリティーも評価への一端だと言えるだろう。

 もう一つの大きな要因は、全米脚本家組合(WGA)と映画俳優組合―米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)による半年に及ぶストライキの影響だ。これによって、SF大作「デューン 砂の惑星PART2」(ワーナー)、実写版「白雪姫」(ディズニー)、マーベル映画の「デッドプール3(仮題)」(ディズニー)などVFXを駆使した大作は軒並み公開延期になった。

 特に、「デューン」の前作「DUNE/デューン 砂の惑星」は、第94回アカデミー賞で技術賞を中心に10部門でノミネートされ、特殊効果賞など6部門でその年の最多受賞を記録している。ストライキがなく、予定通りに公開されていれば、「ゴジラ-1.0」の強力なライバルになったことだろう。

 今回の快挙は、「ゴジラ」やVFX集団「白組」が積み重ねてきた歴史の集大成といえるが、商業的、作品的な成功は今後の日本の映画界にも大きな影響を与えるだろう。山崎監督、白組のハリウッド進出、さらなる世界市場を見据えて「ゴジラ」シリーズのスケールアップに期待がかかる。

デイリー新潮編集部

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