実父の葬儀で出逢った女性と不倫関係に…あっという間に夢中になって“ふと思った重大な事”、49歳夫が明かす「後悔と葛藤」

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前編【実父の棺にすがりついて泣く女性と実母が取っ組み合い、そして10年後に再び大騒動が…49歳男性が語る「2度の修羅場」】からのつづき

 49歳の井田弘哉さん(仮名=以下同)は、33歳の時に結婚し、娘と息子に恵まれた。昨年末、ある “秘密”が妻の菜々美さんに知られることになり、大騒動になったという。きっかけは10年前、急逝した父の葬儀で棺にすがりつく「紗和子さん」に出会ったことだった。母は、その場で彼女を殴打。弘哉さんの6歳上の紗和子さんは、父の20年来の愛人だったのだ。夫と死別し、シングルマザーになった彼女の相談に乗るうちに不倫関係に……という父の意外な一面を知った弘哉さんは、やがて彼女に惹かれはじめ、自宅マンションに招かれた時に「何かが弾けた」と語る。

 ***

 弘哉さんは「頭の後ろのほうがカーッと熱くなって」、思わず紗和子さんを抱き寄せた。

「ダメ、と弾き飛ばされそうになったんですが、僕は彼女を離さなかった。彼女はすぐに抵抗をやめました。それどころか非常に積極的で……」

 弘哉さんは「どちらかといえば奥手で、恋愛もそんなに知らない」タイプだった。妻となった菜々美さんとも、ごく普通に1年半ほどつきあって流れで結婚した。もちろん好きだから結婚したのだが、恋愛感情より「この人とうまく家庭を作っていけるか」を第一に考えたという。「好き」はわかるが、「熱に浮かされたように女性に夢中になる」感覚は自分の中にはないと思っていたし、そんな感情に振り回されたくもなかった。

この人は父の恋人だったと考えると…

 ところがこの日を境に、弘哉さんは紗和子さんに夢中になった。通勤電車の中でも、彼女のことを思い出してはニヤニヤしたり、しみじみ愛おしさを感じたりして自分の感情の複雑さを思い知った。

「はたと気づいたんですよ。彼女は父の不倫相手だったんだなあと。こういう言い方はどうかと思うけど、彼女が気持ちいいと感じるその感覚は、父が手を貸したからできたものかもしれない。はっきりいえば、彼女の女性としての快感は父が作ったものではないのか。そうだとしたら、それを享受している自分は何なのかと、だんだん落ち込んでいきました。彼女のことを大事に思い、強烈に欲しているのに、この人は父の恋人だったと考えると萎えていく」

 それでも会うのをやめることはできなかった。ある日、「今日は私が夕飯を作るから、ちょっと来ない?」と言われて家に行った。

「テーブルにずらりと並べられていた料理は、父が好きなものばかりだった。湯豆腐にしらあえ、かぼちゃの煮物、ポテトサラダ、そして和牛のペッパーステーキ。しかもそれが少しずつ小皿に盛りつけられていたんです。父の好きだったドイツのビールも用意されていた。母は料理が得意ではなかったし、買ってきた惣菜を大皿にボンと盛ってしまう人だった。父はそれについて文句を言ったことはありませんが、僕が大人になってから1度だけ、一緒に小料理屋で飲んだとき、少しずついろいろな料理が出されるのを見ながら『こういうのがいいんだよ』と言っていた。紗和子さんは父を大事にしてくれていたんでしょう」

 と同時に、僕は父の代わりなのかと弘哉さんは感じた。ストレートにそう言ってみると、紗和子さんは「そんなことがあるはずないでしょ」と少しだけ怒りを含んだ口調になった。ただ、その後、「ごめんなさい。もしかしたらあなたにお父様を重ねているところはあるかもしれない」と言い直した。

「率直ですよね。当然だろうと思ったけど、僕自身を見てほしい、僕はあなたしか見てないと詰め寄りました。彼女は困惑したような顔をしていた」

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