学生結婚してから10年、妻の不審な行動の数々に「不倫しているのでは」 その時、44歳夫はどう対処したか

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 妻の不倫に薄々気づきながら、見て見ぬふりをする夫たちは少なくない。「家庭が壊れるのを恐れて」「妻が外で何をしようが家の中で機嫌がいいなら、それがいちばん」といった消極的理由が多い。夫というものは、妻の不機嫌が何より怖い。家庭が維持できて、子どもたちに悪影響がなく、妻の機嫌がよければあとは何も望まないと言った男性もいる。

「僕もそう思っていました。何より、妻の美智香を理解して愛せるのは僕しかいないと自信をもっていた。いや、それは今もそうなんですけど……」

 わけあり風に語る萩原卓浩さん(44歳・仮名=以下同)は、大学4年生のときに同級生の美智香さんと結婚した。学生生活を数ヶ月残して、婚姻届を出したのだ。彼女とは大学の入学式で知り合った。そこからつきあい始め、学生時代はいつでも一緒だった。

「僕も彼女も就職が決まっていました。ただ、彼女は妊娠していたので、おそらく辞退させられるんだろうとは思っていたんです」

 ところが美智香さんが内定していた中小企業は素晴らしい対応をしてくれた。妊娠5ヶ月の新入社員を歓迎してくれ、やる気があるならギリギリまで働いてほしいと言ったのだ。美智香さんはそれに応えて臨月に入っても働いていた。

「こっちも新入社員だし、もうわけのわからない新婚生活でしたね。でも楽しかった。ふたりで苦労している実感があった。彼女も僕も実家がそれほど遠くないので、双方の両親も協力してくれました。ただ、できる限りふたりでがんばろうと決めていたし、彼女の心身の負担を考えて、僕がやりきるしかないと思っていた」

結婚10年でも「ベタ惚れ」だが…

 卓浩さんが入った会社でも、新入社員が内定から入社式の間までに結婚して子どもも生まれるというのは初めてだったようで、「逆に有名人になってしまった」そうだ。

「真夏には子どもが生まれました。妻は産休だけで仕事に復帰、がんばったなと思いますよ。僕らの生活がようやく軌道に乗ったのは、息子が5歳くらいになってから。ホッと一息つけたのは小学校に入ったころですね。それまでは仕事も私生活も無我夢中でしたから」

 もうひとりと思わないでもなかったが、「会社に迷惑をかけたから、これからは仕事で恩返しをしたい」という妻の意見を取り入れ、第二子はあきらめた。

「美智香の会社はけっこういろいろ大変だったみたいです。先代社長が亡くなって、その息子が社長を継いだものの、これがいい人すぎて、先代社長の右腕だった人に騙されて……。美智香は夕飯時に、いつもその日あったことをぶわーっとしゃべるんですよ。息子が『ママ、うるさい』というくらい(笑)。そうすると『ごめんごめん。先にあなたの話を聞こうねー』とやっと母親モードになる。彼女はいつでも明るくて個性豊か。会社ではブルドーザーと呼ばれてると仏頂面をしていたこともありました。確かに力ずくで仕事をするタイプではありましたね。実際にはかわいいところも多々ある女性なんですが、本人はそういうところは見せたがらなかった。僕だけが彼女のかわいいところを知っていると思っていました」

 つまり卓浩さんは、妻の美智香さんにベタ惚れだったのだ。それは結婚から10年たっても変わらなかった。だが、そのころから妻には不審な面も見られるようになった。

「ふたりとも夜遅くなるときは、夕方からどちらかの母親が来てくれることになっていました。連絡は密にしていたし、とにかく息子をひとりにはしないと決めていた。それなのに美智香が早く帰れると言った日、7時頃、息子に連絡したら『ママがまだだよ』と。妻には連絡がとれず、僕はどうしても残業しなければならなかったので、母親に頼んで駆けつけてもらいました。僕も残業を早く終わらせて帰ったんですが、妻は僕より遅くて午前零時を回るころでした」

 頭ごなしに怒鳴るのは避けたが、「いったい、どういうことなの」と妻に詰め寄った。すると妻は「ごめん、どうにもならなかった。ちょっと大きなトラブルがあって」と頭を下げた。オレたちにとっては息子の安全が何よりも最優先だっただろと言うと、「ほんっとに申し訳ない」と謝り続ける。今後は必ず連絡をして、どちらかの母親に来てもらうと再確認した。

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