千葉県・印西にグーグル、アマゾンのビルが林立する理由 「歴史は昭和までさかのぼる」

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 都心から東へ約40キロ、北総鉄道の千葉ニュータウン中央駅を降りて歩くこと十数分。すると、巨大なビル群が姿を見せる。グーグルや三菱総研、NTTデータ、そしてアマゾンなど世界的なIT企業や日本を代表する企業ばかり。ここ千葉県印西市は日本有数のデータセンター(DC)の集積地なのだ。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏が言う。

「最近はチャットGPTなどAI(人工知能)が注目されていますが、AIはコンピューターに蓄積されたデータを学習して成長します。そのため膨大なデータを保存しておけるDCはこれからますます重要になってくるはずです」

電柱の地中化

 印西にDCが集中している理由は、大きな活断層が見つかっておらず、直下型地震のリスクが小さいことや、成田空港から電車で30分ほどの距離で都心までも1時間という近さだ。また、標高が20~30メートルで海岸からも遠く津波による浸水のリスクが小さいことなども挙げられている。

 印西市役所に聞くと、

「当市におけるDCの歴史は古く、昭和の頃までさかのぼります。当時はデータセンターではなく“事務センター”などと呼ばれており、印西にNTTの施設や郵便局(当時)の東日本貯金事務センターが造られたのが最初でした。この二つの施設ができたことによって、周辺の電柱(電線)が地中化された。このことが、DCを造りたいIT企業にとって大きな魅力だったのでしょう」(経済振興課の担当者)

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