「新型コロナバブル」で誰が一番トクした? 時代遅れの対策の原因は? 「感染症ムラの利権を守る動きが」

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国家公務員採用試験を免除

 厚労省の医系技官が特殊なのは、医師免許を持っているというだけで国家公務員採用試験を免除される点です。多くの事務系の国家公務員が厳しい試験によって行政官としての適性を問われるのに対し、医系技官はこれを課されずに官僚としてのキャリアをスタートさせる。

 さらに、医系技官は自己都合で辞めない限り、ほぼ全員が「指定職」と呼ばれる、企業の役員クラスに相当する幹部ポストを経験するといわれます。ちなみに、分科会の会長を務め“専門家”の顔だった尾身茂氏も、かつては医系技官の一人でした。

 新型コロナ対策で陣頭指揮を執ってきたのは、トップの課長ポストが代々、医系技官の指定席となっている「結核感染症課」です。結核感染症課という看板の字面だけを見ると時代錯誤な印象も受けますが、「結核」とあるのは、かつて日本の感染症対策では結核こそが最大の課題だったから。新型コロナ対策の根拠法でもあった検疫法と感染症法を所管する部署で、現在では新型コロナのような未知の病原体が発生したときにその対策に当たるのが主な任務となっています。

最大の問題点は「PCR検査の抑制」と「クラスター対策」

 ところが、国民にとって不幸だったのは“時代錯誤”が看板だけではなかったということ。かつて、赤痢やコレラなど伝染病の感染対策といえば一にも二にも「強制隔離」でしたが、新型コロナのように無症状の患者がいる感染症においてこの方法は必ずしも適切ではありません。このことは09年に流行した新型インフルエンザへの対応でも学んだはずでした。ところが結核感染症課は「PCR検査」という科学技術をいたずらに否定し、「クラスター対策」を金科玉条として古典的な対策に終始したのです。

 これから詳しくお話ししますが、私は日本の新型コロナ対策の最大の問題点はこの「PCR検査の抑制」と「クラスター対策」にあったと考えています。

 PCR検査はコロナ禍で最も浸透した医学用語といってよいでしょう。ただ、これはコロナウイルスのために開発されたものではなく、かねて肝炎ウイルスの検査や親子鑑定、遺伝子診断など幅広い用途に用いられてきました。本来、検査を受けるかどうかは医者と患者が話し合って決めることですが、日本のコロナ対策ではなぜか、厚労省が検査の実施を徹底的に抑え込んでしまった。これにより「検査を受けたくても受けられない」という人が続出したのをご記憶の方も多いでしょう。

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