藤井聡太八冠は50年以上ぶりに「年度勝率記録」を更新できるのか 「ここから1敗もできない」

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 先ごろ、タイトル戦20連覇という新たな金字塔を打ち立てた藤井聡太八冠(21)。昨秋に八大タイトルを独占し、なおも前人未到の領域を突き進む「令和の天才」が次に見据えるのは、「年度勝率記録」更新だというのだが……。

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 将棋担当記者が言う。

「藤井八冠はさる8日、王将戦七番勝負の第4局で菅井竜也八段に勝利し、4連勝で王将戦3連覇を成し遂げました。同時にタイトル戦20連覇も達成、大山康晴十五世名人の持つ19連覇の記録を58年ぶりに塗り替えたのです」

 これに先立ち、5日には日本将棋連盟が2023年の獲得賞金・対局料ベスト10を発表。藤井は1億8634万円で2年連続の1位に輝き、1995年の羽生善治九段の1億6597万円を上回り、史上最高額となったのだった。

50年以上更新されていない記録

 そんな記録ラッシュを続ける「天才」に目下、立ちはだかっているのが年度勝率記録である。

「歴代の最高勝率は、67年度に中原誠十六世名人が打ち立てた8割5分5厘(47勝8敗)。藤井八冠はこれまで、毎年コンスタントに8割を上回る勝率を残してきましたが、この記録には届きませんでした。それが今年度は、8日に王将戦を防衛して41勝6敗、勝率8割7分2厘となり、がぜん注目されています」(同)

 その8日時点で、今年度の対局は「朝日杯」「NHK杯」それぞれ準決勝と決勝、そして棋王戦5番勝負の第2局以降(第1局は引き分け)が残っていた。が、さる10日の朝日杯では準決勝を勝ち上がったものの、決勝で永瀬拓矢九段に敗れてしまった。

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