【冬ドラマ】「世帯視聴率」「個人視聴率」トップ10を比較すると…“爆死扱い”のドラマが浮上する背景

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 テレビ界の視聴率の基準は約4年前から個人視聴率だが、それが一般にも広まり始めた。産経新聞が1月18日付紙面から視聴率ランキングの括り方を世帯視聴率から個人視聴率に変えた。毎日新聞は既に個人視聴率を優先している。個人視聴率が広く認知される時代が来た。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

世帯視聴率と個人視聴率の違い

 テレビ界とスポンサー側が個人視聴率を導入したのは2020年4月だった。視聴者人数や世代、性別などが細かく出る。テレビ先進国の米国は1990年代から個人視聴率である。

 旧基準の世帯視聴率は「その番組を観ていた家の割合」しか測っていなかった。例えば単身世帯と5人家族を区別できないから、視聴者人数は分からない。観ていた人の世代なども一切不明だ。

 一方、個人視聴率は「その番組を観ていた人の割合」を測っている。観ていた個人の世代や性別が細かく分かるのが特徴である。

 世帯視聴率はその数字が高ければどの世代にも人気というわけではない。MCの関口宏氏(80)が3月末で降板するTBSの情報番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)もそう。2月12日放送は世帯視聴率が12.2%と堂々たる数字だった。

 しかし、個人視聴率のT層(13~19歳)は0.6%、同じくF1層(女性の20~34歳)は0.8%しかない。どちらも100人に1人も観ていない。極端なまでに年長者向けの番組になっている。

世帯視聴率でトップのドラマは?

 視聴率の基準の変更によって、各番組の序列はいかに変わるのか、ドラマのベストテンを見てみたい。今回は世帯視聴率と個人視聴率、さらに13歳から49歳に絞った個人視聴率であるコア視聴率を取り上げる。

 まずプライム帯(午後7~同11時)の冬ドラマ17本のうち上位10本を並べる。(ビデオリサーチ調べ、2月5~11日)

【世帯視聴率】
1位:TBS「日曜劇場 さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(日曜午後9時)10.0%(11日放送の第5回)
2位:日本テレビ「となりのナースエイド」(水曜午後10時)7.5%(7日放送の第5回)
3位:TBS「不適切にもほどがある!」(金曜午後10時)7.1%(9日放送の第3回)
4位:テレビ朝日「グレイトギフト」(木曜午後9時)6.8%(8日放送の第4回)
5位:日本テレビ「新空港占拠」(土曜午後10時)6.6%(10日放送の第5回)
6位:TBS「Eye Love You」(火曜午後10時)6.1%(6日放送の第3回)
7位:フジテレビ「院内警察」(金曜午後9時)5.6%(9日放送の第5回)
7位:関西テレビ制作・フジテレビ系「春になったら」(月曜午後10時)5.5%(5日放送の第4回)
9位:フジテレビ「君が心をくれたから」(月曜午後9時)5.3%(5日放送の第5回)
10位:NHK「正直不動産2」(火曜午後10時)5.2%(6日放送の第5回)

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