巨人4番・岡本和真の次を誰が打つのか問題 まだ残る右打ち外国人スラッガー獲得の可能性

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岡本の後を誰が打つか

「新風~GIANTS CHALLENGE~」を今季のチームスローガンに、新生・阿部巨人の宮崎春季キャンプがスタートした。キャンプ初日はあいにくの雨模様で、室内での限られた練習しか出来なかったが、ベテランの菅野智之(34)が前日の自主トレから続けてブルペン入り。それに釣られ、投手陣全体に緊張感が走った。阿部慎之助監督(44)はドライチ・ルーキーの西舘勇陽(21=中央大)をさして、

「(自分が見ていたら)かわいそうだなと思って。5球くらい見てどこかに逃げた。こんな異様な雰囲気で投げて、俺が後ろで仁王立ちしたら無茶するだろうしね」

 と、配慮したことを打ち明けていた。V奪還、球団創設90周年のメモリアルのシーズンだが、手付かずのままキャンプインしてしまった課題もある。主砲・岡本和真(27)の次を打つ5番バッターを誰にするのかだ。一般に1番バッターは出塁率の高さと、足の速さ。2番バッターには確実にランナーを進塁させる右打ちの技術などが求められ、3~5番のクリーンナップへとつなげていく。

 4番は打率が低くても長打が打てる選手。3番と5番にはチャンスやプレッシャーのかかる場面でしっかりヒットが打てるクラッチヒッターを置くのが理想とされる。近年、MLBやキューバでは3番にもっともいい打者を置くこともある。初回に1番か2番バッターが出塁すれば、最初の得点チャンスを迎えることになるからだ。4番よりも打席が回ってくる確率が高いこともあるだろう。

 では、5番はどうか。岡本の後ろに、とにかく勝負強いバッターがいれば、厳しいコースで岡本を攻めたとしても、四球は避けなければならない。また、2アウト2塁の場面で、申告敬遠も避けた方がよくなるだろう。

「その大役は、新外国人選手に任せるのだろうと思われていました。しかし、キャンプイン直前に獲得したルーグネッド・オドーア(30=前パドレス/右投左打)の近年の成績、とりわけ昨季の対左投手との対戦成績が1割7分6厘というのは気になります」(ベテラン記者)

 一塁・岡本、三塁・坂本勇人(35)、遊撃・門脇誠(23)。二塁・吉川尚輝(28)、外野の定位置争いを繰り広げている丸佳浩(34)、秋広優人(21)、新人の佐々木俊輔(24)、そして捕手の大城卓三(30)という、現時点でのレギュラー候補のうち、右打者は岡本と坂本だけだ。打線のバランスからも「もう一人、それも右打ちの外国人スラッガーを獲るのではないか」との声が絶えない。

 しかし、すでにキャンプは始まり、チームは始動している。そのため、「今季の補強は終了した」との見方もある。

選手補強はまだある

「いや、近年の巨人は外国人選手の補強が全体的に遅延しています。20年にスモークと契約したのは1月7日。一昨年にポランコと契約したのは1月5日。シューメーカーと契約したのは2月15日でした。昨年もグリフィンとブリンソンは1月12日でした。まだ可能性はあるでしょう」(前出・同)

 交渉が遅延した主な理由は、相手選手がメジャーリーグとの交渉も同時で進めているためだ。特にその内容が、メジャーでの試合出場を確約する契約である場合なら太刀打ちできないが、試合出場登録の40人枠に入れるかどうか、もしくはマイナー契約になるかどうかの話し合いをしている状態であれば、当該選手はよりよい条件を求めるうちに、「NPBとも交渉しようか?」と考え始めることになる。

「WBC優勝の余波もあり、NPB球団からのオファーを好意的に受け止める選手が増えています。メジャーリーグのFA市場は、上位ランキングに入っている好選手から順番に所属先が決まっていきます。同時に、投手が先、野手がその次、という傾向もあります」(米国人ライター)

 野手が後回しになるのも、NPB球団との交渉が遅延する一因だろう。たしかにMLB公式ページを見てみると(現地2月1日時点)、昨季のサイ・ヤング賞投手のブレイク・スネル(31=前パドレス)、19年ナ・リーグMVPのスラッガー、コディ・ベリンジャー(28=前カブス)、昨季途中に覇者・レンジャーズに移籍し、シーズントータル10勝を挙げた左腕のジョーダン・モンゴメリー(31)といった大物が、まだ交渉途中となっていた。

「キャンプインのシーズンになっても所属先が決まらないなんてことは、よくあること。米国の選手は全然慌てていません」(同)

 21年2月半ばに、メジャー通算115試合に先発したマット・シューメーカー(37)と契約したように、阿部巨人が有名選手と契約する可能性は決して低くはない。というのも、こんな情報が聞かれたのだ。

 1月29日(現地時間)、大谷翔平(29)を喪失したエンゼルスが打線強化のため、34歳のベテランスラッガー、アーロン・ヒックス外野手と1年契約を結んだ。エンゼルスは補強をさらに進めるため、40人枠に「空き」を作らなければならない状況にあるのは、ヒックス獲得前から伝えられていた。

 その流れで、一塁兼外野手のトレイ・キャベッジ(26/右投左打)が一時、巨人へ移籍するのではという情報が流れた。結局、同31日にアストロズと契約したが、米国内ではエンゼルス40人枠の件で、別の選手名があがっているという。

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