【リブゴルフ】ジョン・ラーム移籍で無理矢理13番目のチームが誕生 19歳新人の参加経緯にも疑問

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 リブゴルフの今季初戦が2月2~4日の3日間、メキシコのマヤコバで行われる。しかし、これまでとは異なるリブゴルフの変化に、迷走を始めている様子が見て取れる。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

統合するPGAツアーは迷走

 昨年6月、PGAツアーのジェイ・モナハン会長とリブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」のヤセル・ルマイヤン会長によって、両者の統合合意が電撃的に発表された。

 統合発表の直後から米ゴルフ界では「リブゴルフの未来は危うい」という見方が広がった。発表の時点で、リブゴルフの指揮権はグレッグ・ノーマンCEOからモナハン会長に移され、モナハン会長によってリブゴルフが解体される可能性さえ指摘されていたからだ。

 しかし、両会長による一方的な合意発表に憤慨する声がPGAツアーの選手から一斉に上がり、モナハン会長の信頼は失墜。今ではモナハン会長がリブゴルフの運命を握るという見方自体が影を潜め、むしろ長年のタイトル・スポンサーだったファーマーズ・インシュランスとウェルズ・ファーゴの降板が決まったPGAツアーの迷走を案じる声も聞こえ始めている。

 リブゴルフとの統合に関しては、その後はPGAツアーの理事会が主体となって討議を重ねている。その結論がどうなるにせよ、リブゴルフの2024年シーズンが予定通り開催されることは昨夏に発表されていた。

ラームが移籍

 リブゴルフの特徴は、個人戦とチーム戦を同時進行で行なう競技方式にある。4人1組、計12チームの全48人が、ショットガン方式で各ホールから同時スタートするフォーマットが創設当初から採用されてきた。

 それはPGAツアーを筆頭とする従来のプロゴルフツアーとはまったく異なるリブゴルフならではの斬新な競技方式とされてきた。ところが、ここへ来て、リブゴルフにある問題が浮上した。

 推定3億ドルとも6億ドルとも言われる破格の移籍料を支払って、昨年12月、ついに獲得した世界ランキング3位のジョン・ラームの「座る椅子がない」という事態を迎えてしまったのだ。

 米メディアによると、ラームは「自分のチームを持つ」ことを移籍の条件として提示していたが、全12チームにはそれぞれキャプテンが鎮座している。そして昨年からリブゴルフでは、各チームを共にビジネスをする仲間と位置づけるフランチャイズ化が開始された。そのため、ノーマンCEOから請われてリブゴルフにやってきたビッグスターのラームであっても、既存のチームやキャプテンのテリトリーをおびやかすことはできない。

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