首相の「岸田派解散」という奇襲攻撃で「派閥ゾンビ」にとどめを刺せるのか

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

最高顧問に麻生氏と菅氏

「逆転への一手」か「逆切れ」か、「英断」か「乱心」か、「奇襲」か「奇策」か……18日、岸田文雄首相が自らの母体である宏池会(岸田派)を解散する意向だと一斉に報じられた。この作戦は奏功するのか?

 ***

 派閥解消そのものは国民受けは良さそうではあるものの、10日に立ち上げられた自民党の「政治刷新本部」が、所属議員全員が出席可能な会合や外部識者からの意見聴取などを相次いで開き、1月中に「中間とりまとめ」をすべく議論を進めていたはずだった。

 もともと政治刷新本部の最高顧問の一人に「派閥大好き」の麻生太郎副総裁を配したことで踏み込んだ結論を出せないだろうとみられていたとはいえ、本来、党としての方針は岸田首相個人の唐突なプランではなく、政治刷新本部の議論をベースとするのが本筋だろう。たとえ岸田派が解散し、安倍派、二階派が追随する流れではあるが、麻生派や茂木派がそうするとは限らないし、派閥の存在がすべての原因というわけでもない。

「中間とりまとめ」はどうなる見込みなのか。また「派閥解消」への流れは加速化するのか。

「派閥に残り介錯する」発言も

「政治刷新本部の中間とりまとめや官邸側の意向が聞こえてきました。まず、政治資金規正法は、同じ人物や団体からの政治資金パーティーで1回20万円を超える支払いについては収支報告書への記載を義務付けていますね。これを5万円にするという案が想定されているそうで、これには立憲民主と公明が乗る、つまり与野党が相乗りして26日召集の通常国会で法案が改正される見込みです」

 と、政治部デスク。

「続いて、現状では会計責任者が有罪になっても議員は逃げ切れますが、議員も公民権停止などの対象となる連座制の導入が検討されています。公明が積極的とされ、野党も乗ってくれば自民も逃げきれないかもしれません」(同)

 派閥の存続についてはどうか? 安倍派の宮沢博行前防衛副大臣は「安倍派は解散すべきだ。私は派閥に残り介錯(かいしゃく)する」などとカメラの前で述べていたが……。

「宮沢氏の言動は、これまでのものも含めて“アピール過剰”というのが共通した評価ですね。“これまで派閥に育ててもらった部分もあるはずで、ちょっとやりすぎ”とか“誰が振り付けをしているのか、誰でもないのだとしたらセンスがない”などといった声も聞かれました」

次ページ:サプライズを演じたい

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。