今では考えられない…大乱闘がきっかけで「牛乳のCM」に出演した“長嶋巨人の暴れん坊助っ人” 「カルシウム不足、していませんか?」が話題に

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長嶋監督も「実戦タイプです」と評価

 2024年シーズンも多くの新外国人選手が来日して、日本のプロ野球での飛躍を期するなか、近年の各球団は、しっかりとした成績を残す“当たり外国人選手”の獲得に苦労している。過去を振り返ると、1996年に16勝を挙げ、長嶋巨人の「メーク・ドラマV」の立役者となったバルビーノ・ガルベスは、99年に球団史上初の外国人開幕投手を務めるなど、先発の柱として長く活躍した“当たり選手”だったと言えるだろう。だが、その一方で、彼は、たびたび乱闘劇の主役を務めた稀代の暴れん坊でもあった。【久保田龍雄/ライター】

「巨人 隠し玉」の大見出しで、ガルベスが1面トップで報じられたのは、1996年2月14日付のスポーツ報知だった。

 前年、台湾・兄弟をシーズン中に解雇されたガルベスは、年末にドミニカで開催されたウインターリーグのプレーオフで防御率0.52の好成績を挙げ、レンジャーズと契約。2月下旬に同球団のトライアウトに参加する予定だったが、同時に日本球界にも興味を示し、代理人を通じて「日本向きの投手」と巨人に売り込んでいた。

 巨人にはすでにマック、マント、チョ・ソンミンの3人が在籍し、外国人の1軍登録枠は一杯だったが、前年、桑田真澄が肘の故障で離脱し、まだ復帰のめどが立っていなかったことから、万全を期すために4人目の助っ人をテストすることになった。

 2月18日の紅白戦で実戦初登板したガルベスは、いきなり最速150キロをマーク。長嶋茂雄監督も「実戦タイプです」と高く評価し、同22日、合格が決まった。

「私が役に立てるのなら、何にでも貢献したい。自分のベストを尽くすのが、私の基本姿勢」と殊勝な抱負を口にしたガルベスは、オープン戦でも好投し、開幕後も4月17日の中日戦で来日初勝利を完封で飾るなど、2試合連続完投で2勝を挙げた。

 だが、ふだんは温厚な好人物なのに、ひとたびマウンドに上がると、別人のように切れやすくなる“二重人格”が、5月1日の中日戦で明らかになる。

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