多摩川スーツケース死体遺棄 被害男性は「住吉会の元相談役」と豪語していた「アウトロー系配信者のレジェンド」だった

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本当に住吉会の相談役だったのか

 元暴力団組員という肩書きを持つウナちゃんマン氏は、“ケンカ上等”の破天荒なスタイルで原さんより数年前から配信活動を行ってきた先駆者だ。

「真っ昼間から上半身裸で、酒を煽りながら、べらんめえ口調で視聴者をひたすら煽り倒す。怒った視聴者が生配信中に凸をかけ、警察官が駆けつける騒ぎも日常茶飯事だった。YouTube全盛期になるにつれて影が薄くなってしまいましたが、昨年4月、自宅で病死していた状態で発見されるまで細々と配信を続けていました」(同)

 そんな先輩格に新参者だった原さんは睨まれ、生配信に出演するよう“呼び出し”を受けたのだ。2011年に配信されたその動画は、今もYouTubeで閲覧可能である。

 画面に映るのは、黒いジャージにサングラス姿の原さんと、白のジャージに缶ビールを手に持つウナちゃんマン氏。原さんが「初めまして、唯我と言います。いつもウナさんの放送見ています」と丁重に挨拶して平穏に配信は始まったが、ウナちゃんマン氏が「どこに“所帯”持ってたの?」と本題を切り出していくにつれ、徐々に剣呑な雰囲気になっていった。

 原さんは新宿に縄張りを持つ住吉会の中で、独立した組織を持っていたかのように己の過去を語っていたのだが、ウナちゃんマン氏は“フカシ”と踏んで追及し始めたのだ。

ウナ氏「住吉会にいたんだったらいいけど、アンタどこのレベルにいたんですか」
原さん「相談役です」
ウナ氏「相談役ってどこの相談役」
原さん「副会長補佐の下です」
ウナ氏「はぁ? 住吉会本体の?」

怒号が飛び交う修羅場に視聴者は大盛り上がり

 原さんは二次団体でも三次団体でもなく、住吉会本体の大幹部だったと豪語した。だが、そんな大物だったならば名前が知られているはず。あやしい回答を引き出したウナちゃんマン氏は、“やっぱりフカシだ”と確信し、原さんを激しく罵倒し始めた。

「オタクの組って、頭悪いんじゃないの? お前みたいなマヌケ面した男をそのポジションに置いたらバカ過ぎるだろ」

 人格を否定するようなその言葉に、原さんもプッツンと切れた。

「ああん! お前、上等きってんなぁ、オイ!」

 それから2人は数分間にわたり、聞くに耐えない罵り合いを繰り広げたのである。

原さん「おい! お前、他の生主(註・生放送の配信者)から逃げてんだろ。リアルでは会えないんだろ! リアルで会えよ、ブルっちゃってんだろ。ああん! なめんなよ、この野郎!」
ウナ氏「(受け流しながら)はいはい、K組(住吉会の二次団体)にいたって言うんだろう。分かった。後で調べてみるわ」
原さん「調べろよ、後でケツ拭けよ、てめぇ、このヤロウ!」
ウナ氏「ケツなんか拭かないよ、お前絶対在籍していないもん。吠えるだけ吠えちゃってさぁ。カタギなんだろー、ずっと。あぁん、何が組長だ」
 
 かつてこの界隈では、このようなバトルがそこかしこで勃発し、視聴者を盛り上がらせたという。この日を境に原さんは一躍、界隈で注目を集めるようになったそうだ。

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