「テリーマン」のモデルになった「テリー・ファンクさん」、ジャイアント馬場さんに信頼された不屈の闘志【2023年墓碑銘】

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たくさんビールを飲んで、腕立て伏せをしろ

 75年、当時世界最高峰と呼ばれたアメリカの団体NWAの世界ヘビー級王座を獲得。漫画「キン肉マン」に登場する「テリーマン」のモデルになるほど大人気だったが、膝の故障を理由に83年、39歳で引退を決意。

 ところが翌年復帰する。教え子の大仁田厚と93年にデスマッチで対決するなど機会は減ったが来日も続いた。そして2013年、テリー69歳、ドリー72歳にして、渕正信、西村修のタッグと対戦。

 闘った西村さんは現在、東京都文京区の区議会議員にしてプロレスラーである。

「20分はあっと言う間に過ぎ、引き分けになりました。技を受け止め、相手の見せ場もちゃんと作りながら、それ以上の実力を示すという兄弟の試合運びは健在で、パワーもありました」

 アメリカでは17年まで勇姿を見せた。愛妻に19年に先立たれ、パーキンソン病の症状が現れていたようだ。

「ドリーさん夫妻から連絡をいただき様子を聞いていたのですが、テリーさんは車椅子生活になり体重も減っていました」(西村さん)

 8月23日、79歳で逝去。

「テリーさんに初めて会った20代前半、“たくさんビールを飲んで、腕立て伏せをしろ”と言われました。その時は深い意味に気付けなかった。リラックスすることも必要で、基本的な練習を怠るな、とのメッセージだったのです。レスラーとしてだけでなく、生きる上での道しるべになりました」(西村さん)

 気は優しくて強い男だ。

デイリー新潮編集部

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