【自民党裏金疑惑】「パンツが防衛ライン」という妙な合言葉 岸田官邸の命運を握る特捜部捜査の進展スピード

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議員辞職

 では実際に、捜査の範囲はどこまで及ぶのだろうか。

「安倍派、二階派の会計責任者は特捜部の聴取に、収支報告書への不記載を認めているようで、会計責任者を立件する可能性は高そうです。その先の事務総長経験者(訴追可能性があるのは、松野氏、西村康稔前経産相、高木氏)に逐一報告していたり、逆に事務総長らが積極的に指示したりということがあったかというと、それを裏付けるのはなかなかハードルが高そうです」

 と、社会部デスク。

「一方で、安倍派の中には4000万円を超える額のキックバックを受けていたのに政治資金収支報告書に収入として記載していなかった疑いがある議員が3人いますね。彼らについては立件の可能性があります。今後、議員辞職するなどして一定の社会的制裁を受けたとみなされれば検察側も配慮したうえで、略式起訴をして、罰金・公民権停止3年の有罪確定へという流れもあると取りざたされています」(同)

防衛ライン

 先の政治部デスクもこう話す。

「確かに特に不記載の額が高額な安倍派の3人の議員については、何らかのみそぎが必要になってくるだろうというのが官邸内でも自然な見方のようです。ただ、繰り返しになりますが、“そこで留まるのだろうか?”という声もあがっていますね」

 そういった官邸の懸念をなぞるように、現・事務総長である高木氏が今年5月の安倍派パーティーの前に「キックバックの中止」を所属議員の一部に伝えていたとの報道があった。

「安倍派の5人衆の中で、官邸が最も憂慮しているのが高木氏だということでした。立件の可能性はそこまで高くはないものの、“パンツが防衛ライン。そこを突破されると北陸グループの頂点にも影響があるかもしれない”との言葉もありました」(同)

「パンツ」とは高木氏にまつわる有名なエピソードで、30代のころ地元・福井で女性のパンツを盗んだという行為に由来する。つまり「高木氏が防衛ライン」という意味だ。一方の「北陸グループの頂点」というのは安倍派最大の後見人で石川県を地盤としてきた森喜朗元首相を指すとのことだ。そこまで対象が広がれば、政権へのダメージはさらに大きくなるのは言うまでもない。

 いずれにせよ、当事者は悩ましい年末年始を迎えることになりそうだ。

関連記事【高木新国対委員長に「女性下着ドロボー」の過去 被害者の妹らが明かした「合鍵を作って侵入」「手には白い手袋をはめて」】では、「パンツ」の由来となる事件について詳報している。

デイリー新潮編集部

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