旧ジャニ「STARTO社」が早くも逆境に…芸能事務所幹部が「協調できません」と言う理由

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 2020年に旧ジャニーズ事務所を退所した山下智久(38)が、フジテレビの来年の春ドラマ「ブルーモーメント」に主演する。19年に退所した錦戸亮(39)も来年のフジのドラマへの出演が内定した。10月末に退所した嵐の二宮和也(40)も来年のTBSのドラマが決まった。「旧ジャニーズ事務所を辞めたら民放ドラマには出られない」という定説は覆った。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

辞めジャニを干す時代の終焉

 旧ジャニーズ事務所を退所したら、民放ドラマには出られない――。これは芸能界内では常識。多くの視聴者も知る話だったが、山下智久、錦戸亮、二宮和也がそろって来年の民放ドラマに出る。

 山下は2019年の「インハンド」(TBS)以来5年ぶりの民放ドラマ。錦戸も同年「トレース~科捜研の男~」(フジ)以来5年ぶり。二宮のみ秋ドラマ「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ」(同)からほぼ切れ目のない出演となる。

 NHKの場合、以前から退所組の起用にほとんど躊躇しない。山下は同局の主演ドラマ「正直不動産2」(来年1月9日から)の放送開始を前にして、早くもパート3制作の計画が具体化しつつある。退所組が特別扱いされる時代は終わった。

 背景にあるのが旧ジャニーズ事務所の解体であるのは言うまでもない。ジャニー喜多川氏の性加害問題に端を発し、旧同事務所は被害者の補償に専念するというSMILE-UP.社と、タレントの受け皿になるSTARTO ENTERTAINMENT社に分かれた。

かつては「タレントの総合デパート」

「性加害が社会問題化する前は、旧ジャニーズ勢のタレントがいないとドラマもバラエティも歌番組もつくれなかった。タレントの総合デパートみたいな芸能事務所だったので、民放は旧同事務所の機嫌を損ねないよう最大限に配慮し、退所者は使わなかった」(大手芸能事務所幹部)

 メリー喜多川・元旧同事務所会長の場合、局の幹部に自分で電話を入れて、退所者の名前を挙げ、起用しないよう強く申し入れていた。

 それが大きく変化。STARTO社の社長に就いた福田淳氏(58)は現在の芸能界に対し「古い」と異議を唱え、改革を訴える人だから、間違っても退所者に不利益な動きは出来ない。

 やはり福田氏が社長を務める別会社「スピーディー」とエージェント契約を結ぶのん(30)が、事実上ドラマ界から排除されていることもあり、タレントを干す芸能界の仕組みを批判してきた経緯もある。

 また、当初は新会社の社長に就任するはずだった東山紀之・SMILE-UP.社長(57)も10月2日の記者会見で退所したタレントについて、「同じ土俵の上に立っている表現者」「圧力等々かけることはない」と断じていた。それでも退所者を虐げたら、旧ジャニーズ事務所の解体が無意味になってしまう。

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