太宰治が愛した「ちょっといい」鉄道橋が撤去 イベントに集まった3千人の本音は
参加希望者が殺到
「太宰治が愛した橋」として有名な東京・三鷹の跨線橋(三鷹跨線人道橋)が老朽化のため撤去される。12月15~17日に行われた「渡り納めイベント」には、約3200人もの人々が訪れ、別れを惜しんだ。
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三鷹市によれば、当初は3日間で900人限定の募集だったそうだ。ところが、4千件を超える応募があったため、急きょスケジュールを調整し、見学可能な人数を増やしたという。
太宰治のお気に入りスポット
太宰治は三鷹で暮らしていた晩年、自宅に友人が訪ねてくると、
「ちょっといい所がある」
と、この跨線橋へ案内したと伝えられている。
イベント参加者に記念品として配られたのは、和服に身を包んだ太宰が跨線橋の階段を歩く姿が写ったポストカード。
ちなみに、市内にある太宰治文学サロンには、太宰が跨線橋の上で遠くを見つめる写真が飾られている。
「太宰治? 知らな~い」
ただ、イベントに参加した人の多くは、実は太宰ファンではない様子だった。
神奈川県在住の40代男性は
「この橋は電車が通ると一緒に揺れるんです。景色もいいし、橋のすぐ下を電車が通るのもたまらない」
と、この日は電車好きの息子と二人で参加。
周りを見渡すと、そんな電車好きの子供と一緒に来た親や祖父母ばかりなのだ。
真下を通過した電車に
「中央特快! お父さん、中央特快だよ」
と興奮気味の小学生(9)は、
「電車はカッコいい。大好き。太宰治? 知らな~い」
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