「ここはヘル・チャイナだ!」荒れ狂う怒りの声 「4年間給与未払い」「数千人規模のスト」「官製“未払い撲滅”キャンペーン」…中国でいま起きている「成長神話」崩壊現場

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動画は即「削除」

「スト頻発」の背景にあるのが、中国を覆う景気悪化だ。GDPの約4分の1を占め、これまで内需を牽引してきた“不動産バブル”の崩壊に加え、「輸出」が振るわないことも大きく影響しているという。

「“世界の工場”として成長してきた中国は輸出への依存度が高かった分、コロナ禍以降の世界的な需要低迷の影響が国内の製造業を直撃。今年10月の輸出も前年比でマイナス6.4パーセントと減少傾向が続き、受注減の対応に追われる工場やメーカーが増えています」(全国紙外信部記者)

 何とか延命を図ろうと、労働者を突然クビにしたり、給与の未払いを続ける企業も続出。その最大のターゲットとなっているのが出稼ぎ労働者たちという。彼ら「農民工」はSNS上でストの様子や「2年近く賃金が払われていない」などの窮状を訴えているが、中国当局の検閲によって投稿されてもすぐ削除される状況にあるという。

「ストやデモの動画が拡散して呼応する動きが出てくれば、社会不安の芽となりかねないため、削除して“なかったことにする”のは中国当局の常套手段。しかし夏以降、削除しても、すぐ新たなストや抗議の動画が上げられる“イタチごっこ”が繰り返されている」(同)

不満の矛先は政権へ…

 そんななか中国政府もここに来て、対策に本腰で乗り出し始めたという。

「11月に入ってから北京市をはじめ、福建省や湖南省、新疆ウイグル自治区などの各省都で、賃金滞納撲滅を謳った『冬季特別キャンペーン』が始まりました。同キャンペーンは過去にも実施されてきましたが、今年は行政側の力の入れようが際立っている。各地で公安当局が“未払い業者”の調査に乗り出し、経営者らを逮捕・起訴する例が相次いでいます」(前出・中国在住ジャーナリスト)

 中国で農民工は3憶人近くいるとされ、旧正月「春節」(来年は2月10日~17日)を間近に控え、お金がなくて帰省できない出稼ぎ労働たちの「不満が爆発」することを避けたい政権側の思惑が裏にあるという。中国事情に詳しいジャーナリストの中島恵氏が語る。

「各地で頻発する労働者のストなどに対する、習近平政権の危機感は相当なものと見られています。これまでも中国の労働者たちに不満がなかったわけではありませんが、経済が回っている限りにおいて、それが表面化することはなかった。しかし今年は出稼ぎ労働者だけでなく、看護師や教師といった専門職、さらに就職難に苦しむ大卒の若者などにも、不況のシワ寄せがダイレクトに及んでいる。政権側が恐れるのは、SNSに次々と投稿される出稼ぎ労働者らの抗議に同調・共感し、都市部の若者やインテリ層までが“連帯”を表明して不満のうねりが広がることです。習政権の“求心力”の核は経済成長ですが、それが鈍化した途端、批判の矛先が一気に自分たちに向かいかねない“諸刃”の面が浮き彫りになりつつあります」

 習近平政権の“綱渡り”は続く。

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