「私人逮捕系YouTuber」がまた逮捕 「でっち上げ覚醒剤売買の現場」に呼び出され逮捕されそうになった50代元受刑者の告白「警察もメチャクチャでした」

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テレグラムに誘導する手口

 X氏と同じような手法で今野容疑者らにハメられそうになった経験を持つY氏(50代・男性)が、取材に応じてくれた。Y氏は服役した過去があり、現在は都内でアルバイトをして生活している。

「今年9月上旬に、仕事関係で知り合った男性から『覚醒剤を購入したがっている知人がいるから連絡を取って、融通して欲しい』と依頼を受けました。連絡手法として指定されたのはテレグラム。その知人が何者だったのか、実在する人物だったのかは今となっては分かりません」(以下、Y氏の話)

 その後始まったやり取りで、謎の人物は「覚醒剤を2〜3万円分用意して持ってきて欲しい」と依頼してきた。Y氏は了承。だが、実際には覚醒剤を入手しないまま、待ち合わせ場所として指定されたJR常磐線の金町駅の改札に向かった。9月8日の夕刻のことだ。

 Y氏は覚醒剤を持たないまま待ち合わせ場所に向かった理由を、「最初から覚醒剤を仕入れるつもりはなかったが、依頼を断りきれなかった。連絡をしてきた人物に興味もあった」と話す。Y氏のこの言い分は不可解ではあるが、大事なポイントは、Y氏が罠にハメられそうになったもののそれには引っ掛からず、覚醒剤を持っていなかったことだ。そして後述する状況からして、罠を仕掛けたのはX氏の話同様、今野容疑者らである可能性が高いのである。

突然、腕を掴んで「交番行きましょう」

 金町駅の改札を出ると、待ち受けていたのは今野、奥村、杉田の3容疑者だった。彼らはY氏を見つけると突然、

「あなた覚醒剤持っているでしょう。交番に行きましょう」

 と言って腕を掴んできた。

「やめてください、痛い、痛いって! ちょっと、痛いからやめてください。こんなことしてどうするんですか!」

 現在は削除されたが、後にYouTuber側が「私人逮捕の現場」として配信した動画には必死に抵抗するY氏の姿が映っている。逃げようとするY氏の腕を離さず、取り押さえているのは今野容疑者だ。抵抗するY氏を両手で抱え込みつつ、撮影者の奥村容疑者に向かって「通報して」と指示を出している。スマホを向けて撮影している杉田容疑者の姿も映り込んでいた。

 必死に逃れようとして抵抗を続けていたY氏だったが、しまいに今野容疑者に投げ飛ばされ、ねじ伏せられた。その拍子でY氏のスマホは吹っ飛んでいる。「痛い、痛い」と叫び続けたY氏たったが、多勢に無勢で観念。そんなY氏を見下ろしながら、3人は「暴れないで。手荒なマネはしたくないんで」と余裕綽々に諭していた。

 やがて警官が到着すると、3人は「覚醒剤です」と言って確保したY氏を引き渡すのである。Y氏が振り返る。

「彼らのことや私人逮捕が流行っていることを全く知らなかったので、最初は何が起きたのか分からなかった。ただ、彼らがスマホのカメラを回して『登録者数が20万人以上いるYouTuberだ』とか説明してきたので、徐々に自分が彼らの動画のネタにされてハメられたことが理解できてきた」

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