不自然な“サングラス着用”写真も…池田大作氏の“長きにわたる不在”を「聖教新聞」はどう報じたか

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「お墨付き」アピール?

 8月24日は池田が創価学会に入信した日であり、しかも、2012年は入信してから65年の節目だった。写真は、豪華な花瓶や絵画を背景にして、椅子に腰かけた池田夫妻がこちらを見て微笑んでいる、という構図だ。

 このときの池田は、サングラスをかけていない。表情豊かとまではいかないが、やつれているようにも見えない。日を空けずに公開されたこの2枚の写真は、信者に対して「お元気な先生」というイメージを伝えるには十分な効果があったと考えられる。

 また2013年11月6日付の聖教新聞では、創価学会の総本部で行われた落慶入仏式(新たに建った施設に本尊を迎える儀式)の模様が紹介された。そこには座組の中心で池田が手を合わせている姿が写っている。引き気味で撮影されているため表情はうかがえないが、しっかりと手を合わせており、少なくとも身体を動かせる状態であることは見て取れる。

 2015年11月18日には、ふたたび1面にカラーで池田夫妻の写真が掲載された。池田が韓国の慶南大学から送られた「名誉教育博士号」のローブを着用し、香峯子夫人が学位証明書を両手に抱えている構図だ。ただ、この写真の池田は、前回の写真と比べると明らかに痩せている。表情にも生気がないように見える。当時の池田が87歳であったことを考えると、年齢相応な外見であるとも言えなくもないが、信者に「お元気」をアピールするには、少し物足りなさを感じる。

 なぜ、わざわざこのような写真を載せたのか。現役信者によると、同じ紙面で報じられた「創価学会会則の改正」記事がヒントになるという。

 この時、聖教新聞で報じられた改正内容は多岐にわたるが、池田に直接関わる重要な改正事項があった。それは会則第1章、第3条に追記された、

〈初代会長牧口常三郎先生、第二代会長戸田城聖先生、第三代会長池田大作先生の「三代会長」は、広宣流布実現への死身弘法の体現者であり、この会の広宣流布の永遠の師匠である〉(創価学会公式サイトより)

 という部分だ。簡単にいえば、これで池田は死後も信者にとっての「師匠」になったことを示す。この会則改正はポスト池田時代を想定して構想されたものだと、信者は解説する。

 池田夫妻の写真は、あくまで「名誉教育博士号授与」の記事に関連して掲載されたものだ。だが、そのすぐ右側に初代会長の牧口と2代会長の戸田の写真も載っている。会則改正という重要な決定に「歴代会長のお墨付きが与えられた」という印象を信者に与える効果はあるだろう。

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