職場の“7歳年上”女性に狙われた新入社員 トントン拍子に交際、突然の妊娠…51歳男性が振り返る“特急列車婚”の末路

  • ブックマーク

「とっても幸せ」

 瑠美さんが臨月に入ったころ、享平さんは婚姻届を提出した。会社にも扶養届を出した。

「当然、妻の名前もバレますから、あの瑠美さんと結婚したのかと噂にはなりました。でもそれより25歳の僕が7歳年上の彼女と結婚したほうが話題になっていましたね。僕としてはどうでもよかった。瑠美は仕事をしているときとは打って変わって、穏やかな日常を送り、いつも『享平のおかげでとっても幸せ』と言ってくれていました。こんな若くして結婚していいのかと思った時期もあったけど、僕自身も幸せを感じることは多かった」

 淡々と仕事をこなすタイプの享平さんだが、次第に実直な姿勢が評価を浴びるようになっていった。婚姻届を出して1ヶ月もたたないうちに息子が誕生。新たな命を腕に抱いて、彼は心が震えたという。

「感動と責任感と、いろいろな思いが去来して、こみ上げてくるものを抑えきれなかった。瑠美には本当にありがとうと伝えました。彼女と結婚してから僕はいい人生を歩んでいるような気がしていた」

“いい人生”と言い切れるものがあるかどうかはわからない。トータルすれば人生プラマイゼロになることも多いのではないか。その中で人はどうやってプラスをたくさん見つけていけるのかにかかっているような気もする。

「今思えば、幸福感は子どもが産まれたときがピークだったのかもしれません」

 彼の人生は少しずつ変わっていった。

後編【義母、愛犬の死で年上妻が口にした“ありえない言葉” 不倫を疑われ51歳夫がとった意外過ぎる行動とは】へつづく

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。