巨人自由契約・中田翔の移籍先はどこか 広澤克実氏が挙げる「2つの球団名」

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 中日スポーツ(電子版)は11月15日、「中田翔、巨人に契約破棄申し入れ FA宣言せず『オプトアウト権』で自由契約に、貧打解消目指す中日は調査へ」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。

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 中田翔は、1989年生まれの34歳。日本ハム、巨人に次ぐ第3の球団で“大砲”として復活できるか、野球ファンは注目している。

 中日スポーツの見出しにもあるように、中田はFA権を行使しなかった。昨年オフに巨人と結んだ3年契約には、契約の見直しや破棄ができる「オプトアウト権」の条項が含まれていた。

 中田は権利を行使し、巨人との契約自体を破棄、自由契約選手となった。どんな狙いがあるのか、中日スポーツの記事から引用しよう。

《メリットとしては名乗りを上げた球団にFA宣言した選手を獲得した際のような補償が必要ではなくなることがある。年俸が人的補償が必要なBランクとみられる中田翔へのオファー、手を挙げやすくなるのは間違いない》

 ちなみに、日刊スポーツ(電子版)は中田が昨年オフに巨人と結んだ契約を《年俸3億円の3年契約》だったと報じている(註)。

 巨人OBで野球評論家の広澤克実氏は、「中田くんの考えはシンプルで、自分の“市場価値”を高め、できるだけスムーズに移籍が成功するようオプトアウトを選択したのだと思います」と言う。

「何しろ中田くんが自由契約選手になれば、年俸が数千万円台に下がる可能性も出てきます。FAと違って人的補償も必要ありません。相当数の球団が『中田を安く獲得できる』と興味を示しても不思議はないでしょう。報道によると、中田くんはスタメンの座にこだわりがあるそうです。ならば年俸は2000万円まで年俸が下がっても受け入れる。その代わりスタメンを確約させ、あとは出来高条項を結んで、好成績なら高額のリターンを用意してもらうのが現実的でしょう。中田くんが、どこまで年俸減を呑めるかが移籍成功のカギになると思います」(同・広澤氏)

 中田の年間本塁打数は、2020年の日ハム時代に記録した31本がキャリアハイ。その年の本塁打王は楽天の浅村栄斗(33)が32本と、惜しくも1本差に泣いた。

 ただし、同年は108打点で打点王に輝いた。打点のキャリアハイは2016年の110打点だが、20年はそれに次ぐ成績だった。

 また、同年の出塁率は3割2分、長打率は4割4分1厘を記録。欠場はしたのは1試合だけで、119試合に出場を果たした。まさに最高のシーズンと言っても過言ではなく、この年のオフには5000万円増となる推定年俸3億4000万円で契約を更新した。

 今季は開幕からスタメンで起用され、好調を維持した。しかし、5月に肉離れで戦列を離れると、門脇誠(22)が三塁、岡本和真(27)が一塁を守るようになった。

 ケガから復帰した6月以降は、中田と岡本、そして秋広優人(21)が一塁のスタメンで出場したが、その割合は岡本が圧倒的に多い。中田は代打の切り札としても存在感を示したが、「常にスタメンで出場したい」というこだわりを持っていたのは前に見た通りだ。

 今季の最終的な成績は、92試合に出場し、本塁打15、打点37、打率2割5分5厘、出塁率3割0分6厘、長打率4割6分4厘だった。

「今季の中田くんは、失投を見逃さないのはさすがでした。とはいえ、彼ほどの選手なら、対戦投手の得意球を見事に仕留めることが求められます。それでこそチームの要となる強打者なのです。全盛期の輝きを取り戻せていないのは、筋トレのアプローチを間違えているからでしょう。確かにスラッガーの肉体には『重いものを持ち上げる筋肉』も必要です。大谷翔平くん(29)もトレーニングで重いバーベルを持ち上げています。しかし、“過ぎたるは及ばざるがごとし”なのです」(同・広澤氏)

最高の移籍先はどこ?

 もし「重いものを持ち上げる筋肉」がホームランバッターに不可欠なら、野球選手より重量挙げのオリンピック代表のほうが量産できることになってしまう。

「スラッガーに必要なのは、あくまでも『バットのヘッドスピードを速くするための筋肉』です。イチローくん(50)は筋骨隆々というマッチョな肉体ではありませんが、その気になればホームランを量産できたのが何よりの証拠です。しかも『重いものを持ち上げる筋肉』を鍛えすぎると、『バッドを速く振る』ためには邪魔な筋肉も鍛えてしまいます。これを逆の視点から考えれば、中田くんが筋トレのアプローチを修正し、練習メニューも見直して全盛期のヘッドスピードを取り戻せば、打撃成績が復活する可能性も充分にあるということを意味します」(同・広澤氏)

 まだまだ中田には復活の可能性がある。ならば、相性の良いチームに移籍してほしいというのがファンの願いだろう。中田のポテンシャルを引き出せるチームは一体どこなのだろうか。

「この問題は、チームカラーや打撃コーチ陣の顔ぶれという観点ではなく、ファンの盛り上がりを最優先に考えてみたいですね。もちろん中田くんがパ・リーグに戻っても話題にはなるでしょうが、やはりセ・リーグのチームに移籍し、巨人の投手と対戦するほうが盛り上がるのではないでしょうか。それこそ巨人戦でホームランを放てば、翌日のスポーツ紙は1面で取り上げてもおかしくないはずです。私としてはセの5球団のどこかに入団するところを見てみたいと思っています」(同・広澤氏)

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