レンズメーカー「タムロン」歴代2社長が巨額の私的流用 69歳「前社長」が海外出張にも同伴させた女性「S」の正体

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中国系クラブのホステス

 11月1日、特別調査委員会の調査報告書が発表され、共同通信など大手メディアが記事を配信した。しかし、各紙の記事は短いものが多く、詳細は大半がカットされている。

 一方、ネット上では「特別調査委員会の調査報告書が非常に面白い」と評判を呼んでいる。一体どこが面白いのか、“読みどころ”を紹介しよう。

 先に、鰺坂氏が通称「S」という女性を出張に同伴させていたという内部通報が発端だったとお伝えした。勘の鋭い方なら水商売の女性ではないかと予想したに違いない。

 タムロンは上場企業だ。そのトップが入れ上げる“夜の蝶”ともなれば、銀座か六本木か──こんな妄想が広がっていくわけだが、どんな女性なのかという疑問に調査報告書は見事に答えている。該当部分を引用しよう。

《S氏は、元々は、タムロンが長年利用していたクラブAという大宮に所在する中国系クラブに勤務していたホステスである》

 銀座でも六本木でもなく大宮。特別調査委員会はS氏の本名も明らかにしているが、ネットに公開された調査報告書では黒く塗りつぶされている。

 鰺坂氏とS氏は2003年ごろにクラブAで出会った。親密の度を増したのは、鰺坂氏が取締役に就任した2010年ごろからだという。

「恋人のような存在」

 クラブAは廃業となり、S氏は中国系クラブのラウンジXに移籍した。特別調査委員会は2013年以降を調査対象としているが、この時点で鰺坂氏はS氏を同伴しての飲食を多数行っていることが判明した。

 鰺坂氏は会社のカネを使い、店でどんな“豪遊”を繰り広げていたのか、一部が報告書に記載されている。その中から2例を紹介しよう。

◆2022年8月25日ラウンジX(17時入店)……テーブルチャージ1万7000円、モエ・シャンドン(シャンパン)1本4万5000円、指名料2000円、料理10人前2万円等 合計9万1000円。

◆2022年11月24日ラウンジX(17時入店)……テーブルチャージ1万7000円、モエ・シャンドン3本13万5000円、フルーツ1万円、料理20人前4万円、指名料3人分6000円等 合計21万5000円。

 このS氏だが、同じ大宮にある「Z」という中華料理店のオーナーでもあったようだ。ZはFという会社が運営していたが、鰺坂氏は社員に指示し、運営会社のFに弁当や消毒液を発注したこともあったという。

 鰺坂氏は特別調査委員会の聞き取りに「S氏とは仲のいい知人に過ぎない」と男女の関係を否定。一方、関係者に聞き取りを行うと「恋人のような存在だと思っていた」との証言もあった。

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