麻生太郎副総裁の“ご乱心”に自民党内部でも「老害」との声が 狙いは息子の出馬への準備か

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

 かつて自身を“暴走老人”と称したのは、作家で元都知事の故・石原慎太郎氏。いまなら、さしずめ自民党の麻生太郎副総裁(83)か。度重なる放言や、不遜な振る舞いはいまだ健在。たしなめる側近もなく、まさに唯我独尊、傍若無人だが、足元は静かに揺らぎ始めている。

 政治部デスクが指摘する。

「9月下旬、麻生氏は福岡市の講演で山口那津男代表ら公明党幹部を名指しし、安保関連3文書改定で“一番動かなかったがん”と批判した。8月には台湾で“日本は中国と戦う覚悟が必要だ”と放言しており、自身と折り合いの悪い“平和の党”を標榜する公明党を挑発し続けています」

 その狙いは何か。

「麻生氏は国民民主党との連立に向け、茂木敏充幹事長と手を組んでいます。先の発言は将来の“公明切り”を仄めかすもので、公明幹部を揺さぶる意味合いも含まれている。公明党に近い政敵の菅義偉前総理や、二階俊博元幹事長をけん制する狙いもあるでしょう」

バッジを外した後も…

 自民党関係者もあきれ顔だ。

「9月の内閣改造の際、岸田文雄総理は、公然とポスト岸田をうかがう茂木幹事長を交代させる意向だった。それに麻生さんが猛反対して、総理の人事構想を断念に追いやったんです。さすがに党内でも“やり過ぎ”との批判が相次ぎました」

 遂には“老害”との声も。

「菅さんや二階さんに近い議員を徹底的に干し上げる一方で、国会対策の経験が乏しい自派閥の松本剛明前総務相を国対委員長に押し込もうと画策しました。いまの麻生さんに我を通すことへのちゅうちょは見られない」

 自民党中堅幹部が言う。

「最近の麻生さんは耳が遠いうえ、足腰の衰えも著しい。引退の潮時と悟ったようで、次の衆院選には出馬せず長男の将豊(まさひろ)さん(38)に地盤を譲る腹。着々と準備を進めていますよ」

 つまり、と続けて、

「目につく強引な振る舞いは、政界引退後の息子への支援が念頭にあるから。バッジを外した後も政界の主導権を握り続けたいという、願望の表れでしょうね」

次ページ:公明党の反発は必至

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。