「平日の睡眠時間は30分から1時間」「恐怖の“爆弾ノック”に下級生は震えあがり…」 OGが証言する宝塚内部の「凄絶ハラスメント」

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「浴槽に漬かるなどもってのほか」

 さらに次のようなエピソードまで。

「予科生の間は、満足にお風呂に入ることもできません。週に1度、多くても週に2、3度でした。怒られると反省しないといけないので、入浴する暇などないのです。予科生の衛生環境は最悪で、制服のシャツは黒ばみ、ジェルで固めた髪の毛は白い粉でいっぱい。モットーの“美しく”からは程遠い状態です」

 確かに“清く正しく美しく”とは程遠いというしかない。劣悪な環境は入団後も継続する。

「寮では、1年目の使用が許される浴場のシャワーは二つだけ。大浴場の浴槽に漬かるなどもってのほかです。また、タイルには直に正座で座り、その状態で体を洗わねばならず、お尻や足は満足に洗えない。ドーランを落としきれないので、汗拭きシートで体を拭き、耐え忍んでいました」

 宝塚歌劇団に事実関係を問うたところ、このような回答が。

「2015年より使用されております現在の寮は、音楽学校・弊団いずれも寮内の各部屋に浴室や洗濯機・乾燥機が設置されております。ご質問のような指導は現在ございませんし、構造的にもあり得ません」

 東さんは現役時代、花組の男役として活動を始めたが、入団1年目で心身に不調をきたし、2年目にして退団を余儀なくされたと話す。

「今回の自殺が劇団内でのいじめが原因であるかは定かではありませんが、伝統ある“指導”を黙認していた運営には大きな問題があると考えます。一部報道にあったいじめの内容は、氷山の一角にすぎないでしょう」(東さん)

 後編では、元団員、現役団員の親による、宝塚のブラックすぎる実情の告発を紹介する。

週刊新潮 2023年10月26日号掲載

特集「桜の園は地獄篇 110年の歴史で初の悲劇『宝塚』“イジメ自殺”を読み解く『天彩峰里』『芹香斗亜』異様な舞」より

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