「アントニオ猪木さん」没後1年 失業危機!?「モノマネ芸人」現在の仕事量と、解禁された“燃える闘魂”カリスマ秘話

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「猪木さんファンの会社経営者って多い」

 アントキのは、街で猪木さん人気を実感する機会が多かったという。

「昔から知らない人がすれ違いざまに“元気ですか!”と声をかけてくるのはよくありました。亡くなった後も変わらず言われます。それより驚いたのが、僕が居酒屋で芸人仲間なんかと飲んでいると、猪木ファンの社長さんのテーブルに誘われて、“追悼だ!”と一緒に飲み、こちらの分も全部払ってくれることが、日本各地で何度もあったんです。猪木さんファンの会社経営者って多いんですよ」

 アントキのは猪木モノマネがきっかけで知り合った複数の会社経営者から、“闘魂”を経営にいかしているという話を聞き、その話や自身の経験、学んだ経営術などをミックスして独自の経営手法を編み出し、10社以上でコンサルティングをしているという。

「わかりやすい例でいえば、『出る前に負ける事考えるバカいるかよ』(※)という名言です。このスピリットを、自身を鼓舞するためや社員教育に使っているという話をいろんな社長さんから聞き、その他の名言にまつわる話も含めて、猪木さんのイズムって経営と相性がいいと気づいたんです。何しろ、あの京セラの稲盛和夫さんが残した『経営12カ条』の第8条は『燃える闘魂』ですよ」

 一方、小猪木は、最近受けた仕事からあることに気が付いた。

「家を建てた方から“上棟式で1、2、3、ダー!をやって欲しい”という依頼や、飲食店の経営者から“コロナが明けても客足が以前のように戻らない。ダーで景気付けして欲しい”という依頼が増えたんです。上棟式って、神主さんを呼んで行うような一種の神事ですよ。それに商売繁盛といえば七福神の恵比寿様です。そこで“ダー!”を求められるということは、猪木さんは“神”のような存在になっているのかもしれません。飲食店の方に呼ばれたのは、窮地に陥った時の“神頼み”的な意味もあると思います。ハッキリ言葉にしないまでも、うっすら“神的存在”だと思っている人がけっこういるんだと思います」

 猪木さんは死してなお人々を元気づけ、残した言葉は摩訶不思議なパワーを持ち続けているようだ。

「詐欺師には詐欺師の人生があるんだ」

 さらにアントキのは「一周忌を機に解禁します」と、これまでメディアには話してこなかった驚きの秘話を公開した。

「猪木さんと一緒に都内の某ホテルのバーで飲んでいた時のことです。怪し気な人物が近づいてきて、猪木さんにあれこれ話し出したんですよ。起承転結がしっかりしていて話がうまい。それに面白い。頭の良さそうな人でした。猪木さんは『うん、うん』と聞いていたけれど、周りにいた僕らはみんな気づいたんです。ああ、これは詐欺師だろうな、って」

 猪木さんの側近もその怪しさに気がついていた。

「その人が帰った後、お付きの人が猪木さんに『会長、あれは詐欺師ですからね。あんなの相手にしないでください』と言ったら、猪木さん、なんと怒って、『馬鹿野郎!』と一喝したんですよ」

 悪いことに巻き込まれないよう、気遣って忠告した側近を、なんと猪木さんは叱り飛ばしたというのだ。いったいどういうことなのか?

「猪木さんはこう言ったんです。『詐欺師には詐欺師の人生があるんだ。そもそもここまでよく来たじゃないか。内容はともかく、一生懸命やっていただろ。一生懸命やっていたら認めてやれ』と」

 常人とは違う発想に驚くが、話はこれで終わりではない。

「後日、お付きの人に『おい、あいつを呼べ』と、その“詐欺師”をもう一度呼ばせたんです。猪木さんは『生まれた時はこうなりたいわけじゃなかったんだよ。なんでこうなったんだ』とその人の話をずっと聞いて、改心させたんです。結局、その人、猪木さんの元で働き始めました」

 なんと、“詐欺師”を更生させて、自分の近くで仕事をさせていたというのだ。

「経営者さんに話すと、皆さん『うちの営業に聞かせて欲しい』とおっしゃいます」

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