NHKで“エース記者”の不正経費請求が発覚 「年間300万円、一人焼き鳥屋までも…」セコすぎる申請手口と“オラオラ系”取材の評判
付箋を貼って出すワザも……
そして、リスク管理室が、X記者が過去に申請した162を徹底して調べたところ、同僚との飲み食いも経費申請していたことが発覚。その一人ひとりを呼び出して話を聞くと、
「『あの時は会費制だった』という声まで出始めた。つまり、Xは会合参加者から募った会費をポッケに入れ、さらに会社にまで請求する二重取りまでしていた。Xは事情聴取でこの点を突き詰められると、『こっちのテーブルでは同僚と飲んでいたが、別のテーブルに取材先がいて、会社に出した領収書はあっちのテーブルの代金』などと苦しい言い訳をしていたようです。Xが使っていた162は多い年で年間300万円以上に及ぶそうです」(同)
実は今回の不祥事が発覚する半年ほど前にも、やはり社会部のYという女性記者にも同様の不正経費利用疑惑が浮上したことがあった。局内関係者に言わせると、「162高額利用者ランキングのナンバー1がX。2位がY」。だが、Y記者の場合は「付箋」を貼って経費処理していたことが理由で調査が難航。結局、「嫌疑不十分」でお咎めなしになったという。
「会食相手が隠したいネタ元、例えば警察幹部ではなくヒラの刑事などの場合、同席者の名前を『付箋』に書いて貼って出すワザが認められています。Yの場合、付箋に書いてあった相手の名前が実在するかどうかまでは調べきれなかったからセーフとなった。一方、Xは同僚や後輩が同席していたケースが複数あったため、不正が突き詰められてしまったわけです」(同)
つまり、今回の話は氷山の一角で、他にもNHK局内で接待・交際費の私的利用が蔓延している可能性もあるのである。局内では、これから社会部記者が出した過去4年分の経費申請を洗いざらい調査すると言う話も持ち上がっているという。
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